「ウォーキング・デッド：デッド・シティ」最終話：シーズン2への布石！二人の強烈ヴィランが動き出す
今週のウォーキング・デッド
マギーとニーガンを主人公に「ウォーキング・デッド」のその後を描くスピンオフ「ウォーキング・デッド：デッド・シティ」。シーズン1最終話となる第6話「ここが我が家」では、来たるシーズン2への布石が打たれている。（文・平沢薫）
※ご注意：本記事はネタバレを含みます。「ウォーキング・デッド：デッド・シティ」第6話をまだ見ていない方はご注意ください。
コレが見たかった！マギーとニーガンがガチで格闘
シーズン1最終話となる今回は、このシーズンの目的だったマギー（ローレン・コーハン）の息子ハーシェル（ローガン・キム）の奪還を、マギーがクロアチア人（ジェリコ・イヴァネク）の要求通り、ニーガン（ジェフィリー・ディーン・モーガン）の身柄を彼に渡してあっさりクリア。そこから、シーズン2に向けての助走が始まる。
ハーシェルを取り戻す前に、見逃せないシーンが訪れた。シリーズファンがいつかは見たいと思っていた、マギーvs.ニーガンのガチ肉弾戦が描かれる。しかも、建設中らしい建物の鉄骨の骨組みの上で、下にはウォーカーの大群という状況と逃げ場がない。期待通りの白熱の戦いは、一見互角に見えるが、途中のニーガンの言葉から、彼が本気ではないことがわかる。
この時の彼の言葉は、最終話の1つ目のサプライズ。彼は「（クロアチア人の）狙いは俺だろう」と言い、最初からマギーの嘘を見破っていたことを告げる。そして、クロアチア人の要求に従わなくても、2人が組めばハーシェルを救えただろうが、マギーがそうしなかったのは、それが彼女の望みではないからだとも指摘する。そして「俺がどう謝ろうと償おうと、君は許せない。それで当然だ」と彼の心境を語るのだ。この時、マギーは彼の言葉を否定せず、ずっと何かを考える表情をしている。
最終話2つ目のサプライズは、ハーシェルの本心。彼が母マギーに逆らうのは反抗期だからではなく、母が自分よりもニーガンにこだわっていると思っているからだった。ハーシェルに「僕の存在はママの目には映らない。いつだって僕の肩越しに彼の姿を探している」と言われたマギーは、ここでも言葉を返せない。
この2つの出来事が、ラスト付近でマギーがハーシェルに告げる「ニーガンの件は終わらせる。自由になるために」という決意につながっていく。しかしこの「終わらせる」とはどんな意味なのか。ニーガンを抹殺するのか、ニーガンを救出するのか。それがシーズン2のストーリーの主軸の一つになりそうだ。
シーズン2への布石…二大ヴィランが登場
シーズン2への布石となるのが、二人のヴィランの登場だ。一人は、第5話で初登場した、クロアチア人が仕える女性。彼女の呼び名は「婦人（ふりがな：ダーマ）」。Dama とは、イタリア語やスペイン語で貴婦人、女性のこと。彼女の素性はまだ不明だが、その目的は、マンハッタン島全域を支配することと、ニュー・バビロンが彼女の領地を奪うのを阻止すること。彼女は、そのために必要な人物としてニーガンを手に入れた。そして、ニーガンに、切り取ったハーシェルの足指を見せて、ハーシェルの安全と引き換えに、彼女への服従を求める。この行動だけでも、かなり強烈な性格の持ち主だ。演じるリサ・エメリーはドラマ「オザークへようこそ」「Marvel ジェシカ・ジョーンズ」などに出演している。
もう一人、最終話で初登場のヴィランは、保安官パーリー（ガイウス・チャールズ）の上司で、ニュー・バビロンのリーダーと思われる女性。彼の報告から、マンハッタンでメタンガスが製造されていることを知り、それを奪おうと考える。彼女の素性も名前も不明だが、ニーガンの死体を見せしめにできなくて残念だと語るところを見ると、こちらも性格はかなり冷酷。演じるのはドラマ「ボクらを見る目」「THE PATH／ザ・パス」のジャスミン・ウォーカー。シーズン2は、この強烈な性格の2人の激突が、ストーリーのもう一つの主軸になるだろう。彼女たちが率いる集団による、大規模な戦闘が描かれそうだ。
一方、ニーガンはクロアチア人なら対処できると考えていたが、婦人（ダーマ）の存在は予想外。彼のことだから、この状況にうまく順応するだろうが、本心から彼女に協力するとは思えない。彼がどのように行動するのかも、シーズン2の見どころになる。ラストシーンでは、本作が今後もマギーとニーガン、2人の物語になることを象徴して、2人の顔の右半分と左半分を合成して、一人の人間のように見せる映像もインパクト大だ。
早くも期待が膨らむシーズン2は、すでに製作が発表されており、撮影は2024年3月から米マサチューセッツで始まると報じられている。まずは配信日決定のニュースを待とう。
「ウォーキング・デッド：デッド・シティ」全6話はU-NEXTで独占配信中
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