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18歳以上がご覧になれます
哀れなるものたち (2023)

2024年1月26日公開 142分

エマ・ストーン主演のR18+映画『哀れなるものたち』評価は?

編集者レビュー

哀れなるものたち
(C) 2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.

哀れなるものたち』2024年1月26日公開

 『女王陛下のお気に入り』などのヨルゴス・ランティモス監督とエマ・ストーンが再び組み、スコットランドの作家アラスター・グレイによる小説を映画化。天才外科医の手により不幸な死からよみがえった若い女性が、世界を知るための冒険の旅を通じて成長していく。エマふんするヒロインと共に旅する弁護士を『スポットライト 世紀のスクープ』などのマーク・ラファロ、外科医を『永遠の門 ゴッホの見た未来』などのウィレム・デフォーが演じる。第80回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で金獅子賞を受賞。

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編集部・市川遥 評価:★★★★★

 社会のルールや見えない抑圧、支配したがる男たちの思惑などどこ吹く風で、何ものにも縛られない女性ベラの今までにない冒険譚は、清々しいほど大胆でダークで小気味いい。彼女の目で世界を見れば、“こうあるべき”という常識は崩れ去っていく。『女王陛下のお気に入り』に続くタッグとなったエマ・ストーンがヨルゴス・ランティモス監督のミューズであることは疑いようもなく、二人は互いの創造性の中で思う存分に羽を伸ばしている。

 モノクロの世界しか知らなかったベラが旅へ出ると色彩があふれ出し、不思議な統一感のある美術、衣装、ヘアメイクが、過去か未来か、現実か夢かあいまいな奇妙な浮遊感をもたらす。自身のビジョンを確実に実現させるランティモス監督の手腕に加え、特筆すべきは恐れを知らないエマの大胆な演技だろう。胎児の脳に若く成熟した女性の体を持つベラが、全てを貪欲に吸収し、鋭い知性と曇りなき眼で世界を見つめるさまを、その体、すべてを使って表現している。

編集部・浅野麗 評価:★★★

 『女王陛下のお気に入り』などのヨルゴス・ランティモス監督とエマ・ストーンの再タッグによるダークファンタジーである本作。黒髪ロングヘアとルックスも大きな変化を遂げたエマがどんな顔を見せてくれるのかという期待は、全編を通してこれでもかというほどに体を張りまくった演技によって、想像のはるかに上を行っており、女優としてのポテンシャルの高さを見せつけられると同時にいい意味で裏切られる。

 壮大なセットからヘアメイクや衣装、カメラワークに音楽と、すべてが見事なまでに絡み合い完璧なまでに作り上げられた世界観と、自立したヒロインから体現される男性に対する痛烈な風刺。ランティモス監督でしか成しえない唯一無二の魅力が細部にまでぎっしりと詰め込まれた見応えのある作品であり、一見の価値はある。一方で設定しかり、濃厚過ぎるブラックユーモアは、鑑賞者を選ぶことは間違いなさそうで、その点がマイナスポイントに。

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『哀れなるものたち』あらすじ

 若い女性ベラ(エマ・ストーン)は自ら命を絶つが、天才外科医ゴッドウィン・バクスター(ウィレム・デフォー)によって胎児の脳を移植され、奇跡的に生き返る。「世界を自分の目で見たい」という思いに突き動かされた彼女は、放蕩(ほうとう)者の弁護士ダンカン(マーク・ラファロ)に誘われて大陸横断の旅に出る。大人の体でありながら、新生児の目線で物事を見つめるベラは、貪欲に多くのことを学んでいく中で平等や自由を知り、時代の偏見から解放され成長していく。

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