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どんでん返しの連続!13歳と殺人モンスターの頭脳戦がヤバい

 本国の動画サイト「iQIYI(アイチーイー)」でドラマ化され、総再生回数20億回を突破する大ヒットを記録した中国のベストセラー小説を、舞台を沖縄に置き換えて映画化した 『ゴールド・ボーイ』(※iQIYI JAPAN調べ)。日本版では映画『DEATH NOTE デスノート』シリーズの金子修介監督のもと、岡田将生羽村仁成Go!Go!kids)、黒木華松井玲奈北村一輝江口洋介豪華キャストが集結。アカデミー賞国際長編映画賞に輝いた『ドライブ・マイ・カー』でも高い評価を受けた岡田演じる凶悪殺人犯のキャラクターをはじめ、冒頭からアッと驚く展開の連続から目が離せない。観た後、思わず誰かに話さずにいられない過激な“ヤバさ”に満ちた本作を徹底紹介!(文:天本伸一郎)

冒頭3分で衝撃の瞬間

 物語は、太陽がさんさんと輝く沖縄の美しい自然のなか、義理の両親をもてなす娘婿というほのぼのとした家族風景から始まる。誰もがうらやむ幸せなひと時に心和む……と思ったら、ある瞬間、娘婿がトンでもない行動に出て地獄絵図と化す。一体何が起きたのか……? 理解不能、不意を突くショッキングな展開にたちまち引き込まれる。

 娘婿の名は東昇(岡田将生)。義理の両親を殺害した彼は全く動じることなく冷静に警察を呼び、彼らが駆け付けると事故を装い、悲劇の主人公になりきる。まるでプロの俳優のような“迫真の演技”で警察をまんまと騙すも、彼には誤算があった。

 その一部始終を偶然、動画に収めていた3人の目撃者たちが東昇の前に姿を現し、彼の完全犯罪はほころびを見せ始める。しかも、目撃者の安室朝陽(羽村仁成)、上間夏月(星乃あんな)、上間浩(前出燿志)は中学生。本来、決して交わるはずのない4人が接触したことで、物語は思いもよらぬ方向に転がっていく。

表と裏の顔を持つ殺人モンスター

 岡田将生の圧倒的な演技力もあって、相手によって顔を使い分ける“モンスター”的なキャラクターにハマること必至。生前の義理の両親は、娘の静(松井玲奈)が離婚を望んでいることを知っても東昇を信じて疑わない。東昇が会社で悲しみに打ちひしがれる姿を装った際にも、社長から「自分を責めるな、会長(亡き義父)の意思は俺たちが継いでいけばいいんだ、期待してるぞ」と励まされる……といった具合で、公の顔は好感度が高い模様。

 そんな東昇の危険な二面性を唯一見抜いているのが妻の静。夫婦仲は冷え切っており、両親を殺したのは東昇と確信し、いとこの刑事・東巌(江口洋介)にも「いつか私が事故で死んだら彼(東昇)の仕業だから」と予告していた。しかし、東昇は警察に矛盾点を突かれても機転を利かせて上手く言い逃れてしまう、まさにサイコパス。演じる岡田の硬軟自在の演技力と相まって、殺人犯だとわかって観ていても、追い詰められてしまった弱い男に見えかねない瞬間がある。しかし、東昇は正真正銘の殺人モンスター。底知れぬ闇を感じさせる悪魔のような男なのだ。

意外な強さを見せる13歳の子どもたち

 記念撮影した動画に、東昇の殺人の瞬間が映っていたことに気付いた中学生たち。頭脳明晰、用意周到な殺人モンスターの東昇にとっては相手にならない……と思いきや、彼らが予想外に手ごわかったのが本作の最大の面白さ。

 リーダー格の朝陽は学年トップの優等生で、広中杯(算数オリンピック)で優勝した経験があるほど。さらに、3人はそれぞれ複雑な家庭環境にあり、それを解決する金を得るため、危険な賭けに出る。それは、東昇を脅迫して大金を得ること。殺人モンスターを相手にした駆け引きは「まさか!」の連続。

 さらには「何をしても14歳までは捕まらない」と少年法を逆手にとる朝陽のしたたかさ。一見か弱そうな子どもたちが協力し合い、意外な逞しさを見せていく過程は、許されないことをしているとわかっても応援したくなるし、危うい青春映画の味わいも楽しめる。

どんでん返しの連続!

 こうして“殺人犯VS.子供たち”の対決がノンストップで進んでいくが、果たして、頭脳明晰なサイコパスの東昇に中学生の3人が太刀打ちできるのか。物語は二転三転。それぞれの思惑が絡み合った結果、関係も変化し、誰が計画の主導権を握っているのかさえわからなくなる。通常ならここで終わりかと思うところからさらに意外な展開を見せていくため一瞬たりとも目が離せず、導かれる先のわからないドキドキの果てに、予測だにしない結末に辿り着く。

 どんでん返しの連続に加え、背筋も凍る衝撃的な余韻の残る結末には、「ヤバいものを目撃してしまった……!」と興奮必至。テレビの地上波では不可能な闇にも踏み込んだドラマは、経過時間のわからない映画館で集中して観てこそ、驚きと興奮の醍醐味が得られる。また、結末を知った上で見返すと、随所に張り巡らされた伏線や相手を操るような頭脳戦の巧妙さにも気づき、さらなる驚きも。まさに極上のヤバい魅力が詰まったクライム・エンターテインメントだ。

(C)2024 GOLD BOY

映画『ゴールド・ボーイ』は3月8日より全国公開

公式サイト>>

『ゴールド・ボーイ』予告編

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