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「テイルズ・オブ・ザ・ウォーキング・デッド」最終話:ラストは異色ホラー!“魔女”が住む家で起こる怪奇現象

今週のウォーキング・デッド

 海外ドラマ「ウォーキング・デッド」の1話完結型スピンオフシリーズ「テイルズ・オブ・ザ・ウォーキング・デッド」が最終話を迎えた。第6話「ドーニャ・アルマ」は、ホラー映画の定番とも言えるホーンテッドハウス系のストーリーが展開される。(文・平沢薫)

※ご注意:本記事はネタバレを含みます。「テイルズ・オブ・ザ・ウォーキング・デッド」第6話をまだ観ていない方はご注意ください。

何かに取り憑かれた家…初のホラージャンルに挑戦

 ウォーカーたちに追われる男女、エリックとイダリアが逃げ込んだ家は、周囲から魔女と呼ばれる女性ドーニャ・アルマが住んでいる家。しかも2人の目の前でアルマが急死し、彼らの周囲で怪しい現象が次々に起きていく……。今回は、まさにホラー映画の定番である、何かに取り憑かれた家で怪異が起きるホーンテッドハウスもの。古くはロバード・ワイズ監督の『たたり』(1963)に始まり、『悪魔の棲む家』(1979)はシリーズ化され、近年も『死霊館』(2013)やマイク・フラナガン製作総指揮のドラマ「ザ・ホーンティング・オブ・ヒルハウス」(2019)などが制作されている定番ジャンル。「ウォーキング・デッド」ユニバースでこのジャンルに挑戦するのは、本作が初めてだ。

 そのうえで、「ウォーキング・デッド」世界の基本設定をギリギリ破っていないのも、このエピソードの見事な点だ。その基本設定とは、「ウォーキング・デッド」の世界にはウォーカーが存在するものの、物理法則は現実と同じで、ホラー映画のような超常現象は起こらない、というもの。この点は本作ではどうなのか。屋敷では、いかにもホラー映画らしい怪現象が続々起きる。しかし、次第にエリックとイダリアの過去の忌まわしい行為が明らかになり、2人は怪現象に襲われているのではなく、無意識のうちに自分の過去の行動に後ろめたさを感じて、幻覚を見たり幻聴を聞いたりしている、とも受け取ることができる。その場合は「超常現象は起きない」という基本設定は守られている。ホラー映画のように見えながら実は違うかもしれないという、この設定は秀逸だ。

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 そんな異色のエピソードを創り上げた監督・脚本はどちらも女性で、「ウォーキング・デッド」ユニバース初参加となる。監督のデボラ・カンプマイヤーは、『羊たちの沈黙』のFBI捜査・クラリスを描くドラマ「クラリス」シーズン1(2021)や「スタートレック:ディスカバリー」シーズン4(2022)、人気ミステリー作家ハーラン・コーべン原作のドラマ「シェルター」シーズン1(2023)などで活躍中。脚本家のリンジー・ビジャレアルは、人気バイオレンス映画のドラマ版「パージ」シーズン2(2019)、人気ゲームの実写ドラマ版「バイオハザード」(2022)を手がけた。2人とも、参加作品のラインナップは、このエピソードにお似合いだ。

ホラーファンがニヤリとする配役

 主要キャストにも、「ウォーキング・デッド」初参加の顔ぶれが名を連ねている。魔女の家に辿り着くカップルの一人・エリック役は、『トップガン マーヴェリック』のファンボーイ役でブレイクしたダニー・ラミレス。彼はマーベルドラマ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」(2021)で、新キャプテン・アメリカとなったサム・ウィルソンの相棒で、米陸軍中尉ホアキン・トレスを演じており、2025年全米公開予定の映画『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド(原題)/Captain America: Brave New World』でも同役で出演する。原作コミック同様、サムに続く新たなファルコンになるのではないかと注目されている。

 エリックの彼女・イダリア役は、『ジュラシック・ワールド』シリーズで恐竜保護グループDPGのメンバー・ジアを演じたダニエラ・ピネダ。日本のアニメを実写化したドラマ「カウボーイビバップ」(2021)では、ビバップ号のクルー、フェイ・ヴァレンタインを演じた。

 そして、魔女と呼ばれるドーニャ・アルマ役のジュリー・カーメンは、年季の入ったホラー映画ファンにはおなじみの役者だろう。人気ホラーの続編『フライトナイト2/バンパイヤの逆襲』(1988)に、主人公を誘惑するセクシーなヴァンパイア・レジーン役で出演。ジョン・カーペンター監督作『マウス・オブ・マッドネス』(1994)では、サム・ニール演じる主人公の調査に同行する女性編集者リンダを演じていた。彼女のキャスティングは、ホラー映画ファンへの目配せかもしれない。

 シーズン最終話を観終わって振り返ると、このシリーズはどのエピソードも、本シリーズでは見られない世界を描いた異色作ばかり。他にもいろいろなジャンルの可能性があり、シーズン2の制作も気になるが、製作総指揮のスコット・M・ギンプルは、今年1月に「本年は従来キャラたちのドラマに集中するが、こちらは1話独立のアンソロジー形式なので、いつでもどこからでも始められる。いつか戻って来たいと思っている」とColliderのインタビューで発言している。シーズン2についての朗報は、今後のニュースを待とう。

「テイルズ・オブ・ザ・ウォーキング・デッド」全6話はU-NEXTで独占配信中

(c)2022 AMC Film Holdings LLC. All Rights Reserved.

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