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この冬公開の映画!心にしみるヒューマンドラマ3選

 寒い冬は、温かい映画館で心にしみる良作を楽しみたい季節。さらに新年は、新しい自分に生まれ変われるような希望にも満ちています。そんな時期にぴったりといえる、人々の再生を描いたヒューマンドラマをシネマトゥデイがフランス、イギリス、そして日本から3作厳選してご紹介します。(編集部・市川遥)

『サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行』12月26日公開

本国フランスで年間NO.1!笑って心が温かくなるポジティブムービー

提供:東和ピクチャーズ

 日本でもファンの多い『最強のふたり』の初日動員数を大きく上回る大ヒットスタートを切り、本国フランスで2024年の年間興行収入ナンバーワンを記録した話題作。逃走中の泥棒の親子ラ・フレーズ&パウロが出会ったのは、サマーキャンプに出発直前の障がい者施設の一団。支援員からサマーキャンプに参加する予定の障がい者と間違われたパウロと、彼の介助者だと偽ったラ・フレーズが警察から身を隠すために一団のバスに乗り込んだことで、個性豊かなメンバーたちとのゆかいな共同生活が始まることになります。

 障がい者役で出演しているのは実際に障がいのあるアマチュア俳優たちで、脚本は一人一人のキャラクターに合わせて書かれており、それぞれの個性が炸裂したセリフと生き生きとした演技に頬が緩みっぱなし! 攻めたジョークに大笑いさせられ、泥棒の親子と彼らの妙に息の合った交流、そしてそれが双方にもたらすやさしい変化に心がじんわり温かくなります。

 観終わった後には隣の人にも少しやさしくなれる──年末最後の一作にも年始最初の一作にもぴったりな、底抜けにポジティブな快作です。

『サムシング・エクストラ! やさしい泥棒のゆかいな逃避行』公式サイト 上映劇場

『おくびょう鳥が歌うほうへ』1月9日公開

叙情的に描かれる主人公の再生への道のりが静かに心に寄り添う

提供:東映ビデオ

 『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』『レディ・バード』など作品選びには定評のあるシアーシャ・ローナンが、イギリスでベストセラーになった回想録にほれ込み、主演のみならず初プロデュースまで務めたドラマ。大都会ロンドンでの生活で自分を見失い酒におぼれ、恋人との別れや暴力的な体験などによって限界を迎えた29歳のロナが、10年ぶりに戻った故郷スコットランド・オークニー諸島で再生への道のりをたどる姿を追います。

 見どころは何と言っても、4度のアカデミー賞ノミネートを誇る若き演技派シアーシャの名演です。どうしようもなく酒におぼれたかつてのロナの姿は痛々しく、必死に自分を律して酒を断った現在も、些細なきっかけですべてを台無しにしかねないという不安を抱え続ける彼女の苦しみを鮮烈に体現。

 それでいて、問題を抱えた両親とも向き合い、離島の厳しくも美しい自然とともに描かれるロナの再生への道のりは叙情的で、心に静かに寄り添ってくれます。都会に疲れてしまった人、新年の帰省から戻ったばかりの人、自分の居場所を探しているすべての人の心の琴線に触れる清々しい一本です。

『おくびょう鳥が歌うほうへ』公式サイト 上映劇場

『架空の犬と嘘をつく猫』1月9日公開

やっかいだけどやっぱり愛おしい、家族の再生の物語

提供:ポニーキャニオン

 『愛に乱暴』の森ガキ侑大監督が、「川のほとりに立つ者は」で本屋大賞にノミネートされた寺地はるなの同名小説を映画化。悲しい事件をきっかけに機能不全に陥り、そこから抜け出せなくなってしまった羽猫家が、家族それぞれのやり方で前に進もうとする約30年を、高杉真宙演じる長男・山吹を中心に淡々と、でも思いやりに満ちたまなざしで映し出します。

 誰からも「優しい子」と思われている山吹役の高杉の柔らかな存在感が絶品で、彼が抱え続けた闇と本音を吐き出すシーンには否応なく心を揺さぶられるはず。家族といえどもその家に居続けたら自分がダメになってしまうと思ったら離れてもいいし、逆にとことん向き合ってみてもいいのです。

 恋をし、裏切られ、自分と向き合って、人生の伴侶と真実を見つけていく山吹の成長と、長い時間をかけて彼と共に呪縛から解き放たれていく家族の姿は、新年にふさわしい爽やかな感動をもたらします。やっかいだけどやっぱり愛おしい「家族」という関係を、そっと見つめ直したくなる一本です。

『架空の犬と嘘をつく猫』公式サイト 上映劇場

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