高杉真宙、タクシー運転手に優しい嘘 共演者一同驚き
高杉真宙が10日、都内で行われた主演映画『架空の犬と嘘をつく猫』（2026年1月9日公開）の舞台挨拶付き完成披露上映会に登壇し、優し過ぎるエピソードを明かして会場を驚かせた。この日は、伊藤万理華、深川麻衣、安藤裕子、向里祐香、安田顕、森ガキ侑大監督も来場した。
寺地はるなの同名小説が原作の人間ドラマ。羽猫家の長男・山吹（高杉）は弟の死を受け入れられない母・雪乃（安藤）のため、弟のふりをして母に手紙を書き続けてきた。変わり果てた妻を受け入れられず愛人のもとへ逃げた父・淳吾（安田）、全てに反発する姉・紅（向里）ら不都合な真実から目をそらし、それぞれの嘘を重ねながらも共に生きる羽猫家の約30年間を描く。
演じる山吹について、MCから「優しい」と連呼された高杉だが、「彼は優しいという言葉が嫌いなんだろうな……と思って演じていました」と撮影を回顧。高杉自身も「優しいという言葉はあんまり褒め言葉だと思っていないというか、結果的に人に優しくなりたいと思いますけど、褒め言葉なのかな？ と思いながら生きています」と打ち明けた。
そんな高杉に、初共演の向里は「本当に好青年というか、優しい」と印象を語り、「嘘の優しさじゃなくて、本当に心が……」とつなげようとするが、高杉は照れ隠しなのか「どうでしょうね？」とさえぎりつつ、「そう言ってもらえると嬉しいです」とはにかんだ。
作品にちなみ、「これまでについた優しい嘘」を発表することになると、高杉は「タクシー…」と書いたフリップを披露し、タクシーで空港に向かった時のエピソードを紹介。運転手がおしゃべりで、壮絶な人生話を聞くことになるも、到着予定時刻に間に合うかどうか……。高杉は「まずいなと思ったんですけど、運転手さんがおしゃべりに夢中で急ぐ気配もなく、（道路が）混んでいるのもあって結構ギリギリになって。そのタイミングで『時間大丈夫？』って聞かれたんですけど、話もすごく面白かったし、話の腰を折るのもあれだなと思って、『大丈夫です』って答えて。その時に、この運転手さんの人生の面白い話を聞けるなら、次の飛行機でもいいかもって覚悟を決めて乗っていました」と明かすと、伊藤ら共演者は「えー！」「優しい」、森ガキ監督は「優しいを超えてますよ」と目を丸くした。結局、飛行機には間に合ったものの、空港では「ちょっと小走り」になったそうで、高杉の優し過ぎるエピソードに会場は驚きとほっこりムードに包まれた。
最後に、本作を通して「家族というものが何なのか…と改めて考えた」という高杉は、「観た後に、家族のことだけじゃなく、隣にいる人のことや、いろんな人の事情も思いやれる映画なのかなと思いました。自分は観てくださった方たちの人生が変わるものを……と思って映画や作品に携わらせていただいています。この映画は間違いなく皆さんの価値観や人生を変えられる力のある映画だと思っています」とアピールした。（錦怜那）