衝撃のラスト『28年後…』の続編を大胆考察!“白骨の神殿”で何が起きる?
提供:ソニー・ピクチャーズ

感染すると人間が凶暴化する謎のウイルスの恐怖を描いた映画『28日後…』(2002)のダニー・ボイル監督と脚本家アレックス・ガーランドが、シリーズ新章として製作した『28年後…』。ウイルス蔓延から28年後のイギリスを舞台に、新たな感染の恐怖を活写した同作は、多くの謎を残したまま幕を閉じた。そんな中、2026年1月に早くも続編『28年後… 白骨の神殿』が劇場公開! 前作のラストから続くシリーズ第2章では、一体何が起こるのか。前作の展開や現時点で判明している続編の情報を基に、その行方を大胆考察してみた!(文:平沢薫)
※本記事は『28年後…』の内容に触れています(未見の方はご注意ください)。本気で“10の考察”をしました! 答え合わせのつもりで、公開前に一緒に妄想を膨らませよう。
謎の医師ケルソン&感染者サムソンの関係は?
前作で初登場したケルソン(レイフ・ファインズ)は、かつて医師だったが、感染発生後は町を離れて一人で暮らし、何百体もの人間や感染者の死体を集め、その骨で神殿のような奇妙な建造物を創って暮らしている。
そんなケルソンは、アルファ(=感染者の中でも身体が強く、わずかに知能を感じさせる者たち)の中のとある個体を「サムソン」と名付けている。彼はサムソンに何度も襲われるが、決して殺さず、吹き矢で麻酔薬を打って逃れていた。この2人の不思議な関係の真相も、本作で明らかになるはず。
【考察1】ケルソン&感染者サムソンがまさかの同居!
先日公開された最終予告編には、ケルソンと感染者サムソンが遠くから見つめ合うシーンがあり、ケルソンがサムソンの肩に触ろうとするシーンも登場する。ケルソンが試みているのは、単なる意思疎通を超え、種を超えた<共存>ではないだろうか。となると、続編では生存者と感染者のコミュニケーションが可能になり感染者が人間を「餌」ではなく、「同胞」と認識し始める可能性もある。
もし“アルファが知性を残している”なら、サムソンが、ケルソンのことを自分の父親的な存在だと感じている可能性も? となると、2人が協力し合って家族のように共に同じ道を歩んでいくということも十分ありえる。
【考察2】ウイルス感染の治療法!ケルソンが世紀の大発見
同じく最新予告編で、ケルソンは「感染の解明に近づいてる。感染者が攻撃する時、彼らは何を見ている?」と意味深なことを語っている。ケルソンは、サムソンを実験台に感染ウイルスを研究し、感染に関する衝撃的な新発見をするのではないだろうか。しかも彼が突き止めるのは「治療法」などという生ぬるいものではなく、ウイルスこそが「人類を正しく進化させるためのブースター」であるという捻じ曲がった真実に辿り着くかも…?
【考察3】サムソン=『フランケンシュタイン』の怪物説
サムソンは、前作で何度もケルソンを襲撃していたが、最終予告編でもケルソンに向かっていく。この執着は、サムソンがケルソンによって「人為的に作り出されたアルファ」である証拠ではないか。サムソンには、ケルソンに執着する特別な理由があるのか。彼はケルソンに研究対象にされて、『フランケンシュタイン』のフランケンシュタイン博士が創造した怪物が、博士に愛と憎しみを抱くのと同じような関係になっているように感じる。白骨の神殿は、死体を蘇生させるための巨大な実験場であり、サムソンはケルソンの「最高傑作」にして、生みの親を呪う悲劇の息子なのだ。
ケルソンが守ろうとしているのは人類の未来ではなく、自らが創り出した「新しい神(サムソン)」という狂気かもしれない。だからこそサムソンを殺せない──そんな倒錯した関係もあり得る。
全員金髪…謎のカルト集団「ジミーズ」とは何者?
前作のラスト、全員が長い金髪にカラフルなトラックスーツを着て、笑いながら感染者たちを惨殺する凶暴な集団ジミーズが登場した。そのリーダー格「ジミー」と名乗る男は、前作の冒頭で、目の前で感染者に両親を食い殺された少年の成長後の姿だ。彼はどんな人間になったのか、ジミーズとはどんな集団なのか。
【考察4】ジミーは“信仰”で世界を変えようとしている!
前作のジミー少年時代は、父である牧師に「信仰を持て」と十字架の首飾りを渡され、感染者に両親を殺された後も「神さま なぜ僕をお助けに?」と問いかけていた。しかし最終予告編に登場する成長後のジミーは「大地を旅して 魂を探し 地獄に捧げる」と語る。彼は父の教えを守って“信仰”を持ち続けたが、それが捻じ曲がって、悪魔崇拝になっている可能性も。もしくは、ウイルスによる破壊を「世界の浄化」と捉える過激な選民思想の持ち主ではないか。彼は感染者を「神の使い」と見なし、生き残った人間を感染者に「捧げる」ことで、地獄と化した地上に楽園を築こうとしているのかもしれない。
“信仰”が救いではなく暴力の免罪符へと反転したとき、ジミーは「祈り」を「儀式」に変え、世界を自分の教義で塗り替えようとしているのだ!
【考察5】リーダーは「テレタビーズ」に呪われている!
前作の冒頭、ジミー少年ら幼い子供たちが夢中で見ていたのが、テレビ番組「テレタビーズ」。英BBCで1997年から2001年まで実際に放送された幼児向け人気番組だ。番組に登場する色分けされたテレタビーズたちは、ハグとダンスが大好きな癒し系キャラ。成長したジミーは、生存者を襲撃しては殺戮を続ける過酷な生存競争の世界で生きているので、無意識のうちに幼児期に見たこの癒しの世界に固執して、そのイメージから逃れられなくなっているかもしれない。あのカラフルなトラックスーツは、狂った世界を幼児番組のように彩るための死装束だ。ジミーは「全員を等しく幼児化(無垢化)させる」ことで、恐怖や罪悪感そのものを抹消しようとする、最も純粋で危険な独裁者といえる。
“子ども時代の安らぎの世界”と“無慈悲な血と暴力の世界”が同時に成立しているとしたら──そこにジミーズの不気味さの核心があるのかも。
【考察6】全員洗脳!ジミーはヤバいカルト集団のリーダー
ジミー率いる集団「ジミーズ」のメンバーは、予告編で見る限り、みなジミーと同じ長い金髪で、トラックスーツを着用している。これはリーダー・ジミーのカルト的な教義によるものだろう。彼は、個人の人格を奪い、洗脳して自分に同化させ、自分の分身として使おうとしているのではないか。
あるいは、これは“個”を捨てて群れになる生存戦略──「誰が誰でもいい」状態を作り、恐怖も罪悪感も分散させるための制服なのかもしれない。
さらに「ジミーズ」という名称も気になる。「ジミー」が、シリーズの原点『28日後…』でキリアン・マーフィが演じた生存者“ジム”を神格化した呼称だとしたら? 彼らはジムを「かつてウイルスに打ち勝った最初の超人」として崇拝している可能性がある。彼らにとってジムの再来は、世界の終わりではなく「完成」を意味するのだ。彼らが崇める対象が“ジミー”なのか“ジム”なのか、その名前の微妙なズレが不穏だ。
「白骨の神殿」は何を意味するのか?
『28年後…』で視覚的なインパクトを残したのが、タイトルにもなっている白骨の神殿(ボーン・テンプル)。ケルソンが何百もの人間と感染者の死体の骨で築いた建造物だ。彼は前作でこの塔を「メメント・モリ」(ラテン語で「死を忘れるな」)を具現化したものだと語っていたが、予告編で彼がこの塔を背にして、燃える炎の中で雄叫びを上げる姿を見ると、それだけが理由とは思えない。
【考察7】“白骨の神殿”はSOSを伝える巨大なシンボル!
予告編では、ケルソンが白骨の神殿の前で、何かの儀式を行なっているように見える。ケルソンは、ジミーとはまた別の何かを信仰し、それに祈りを捧げるためにこの神殿を作ったのかもしれない。
そもそも神殿は“宗教施設”ではなく、ケルソンが“巨大なSOS”を表現するものとして、骨を積み上げた建造物を作り、この地で起きた“死”を世界に伝えようとしている可能性もある。あの塔は、人類の墓標であると同時に、新世界を呼び込むための「召喚装置」なのだ。
もしそうなら、ケルソンの儀式は「祈り」ではなく「記録」であり、「弔い」であり、「告発」だ。
【考察8】ケルソン&ジミー、白骨の神殿で殺し合い!
最終予告編には、ケルソンとジミーが対話するシーンがある。ケルソンが「長いこと死を恐れてはいない しかし今日は──」と言うと、ジミーが「覚悟はできているか?」と笑い、ケルソンが「恐怖を感じた」と続ける。さらにケルソンが炎の前で「決着の時だ」という場面もある。2人はそれぞれ別の信念を持ち、そのために白骨の神殿で激突するのではないか。
二人の激突は、単なる善悪の戦いではなく、ケルソンは科学(進化)によって、ジミーは信仰(儀式)によって、それぞれの狂った信念のもとに人類の幕を引こうとしているのかもしれない。白骨の神殿は、最後に生き残った一人が、地球という星の「次の主」を指名するための、血塗られた王座になるに違いない。
“信仰/悪魔崇拝”めいた言葉が飛び交うなら、白骨の神殿は、まさに聖書に記されている「最後の審判」の舞台になり得る。
28年という時間が、人々の倫理観を“かつての価値観”から、現実の状況に即した“新たな価値観”へ変えてしまったのだとしたら──感染者を「選ばれた民」と見なす歪んだ救済観が生まれていても不思議ではない。
どうなる?キリアン・マーフィ復帰の行方
他にも気になることがある。まず、『28日後…』の主人公・ジムを演じたキリアン・マーフィのシリーズ復帰だ。ダニー・ボイル監督は前作『28年後…』の公開前から、シリーズの原点である『28日後…』でジムを演じたキリアンが、『28年後...』シリーズのどこかで再登場すると宣言していた。それは果たして本作なのか。だとしたら、どのように登場するのか。
【考察9】実は“抗体”持ちだった!
キリアンが『28日後…』のジムを再演するならば、彼が感染者の溢れるイギリス本土で、28年間も生き延びてこられた理由が必要になる。彼はこのウイルスに対する特殊な“抗体”を持っていることが判明するのではないか。
海外のファンの間では、「抗体」だけでなく、体内に“純粋なオリジナル株”を宿している存在では、という見立てもある。ジムの血は治療薬なのか、第2世代の強力なウイルスなのか……ジムは“希望“であると同時に“最悪の鍵“にもなり得る。
ニア・ダコスタ監督の発言の意味は?
『28年後… 白骨の神殿』の監督を務めるニア・ダコスタ(『キャンディマン』『マーベルズ』)の発言も気になる。彼女は「<人間>にとって最大の脅威は<感染者>ではない。人間の<非人間性>こそが、最も恐ろしいものとなり得る」と語っている。この言葉が意味するものは?
【考察10】続編はサバイバル劇を超えて「悪の本質」を描く!
監督の発言を見ると、この極限状況の世界で、人間たちが<非人間性>を発揮する行為を繰り広げて「悪の本質」を浮かび上がらせる、深遠な物語になるのではないか。感染者からどうやって生き延びるかというリアルなサバイバル劇を超える物語であることは間違いなさそうだ。
ここでいう「悪」は、誰か一人の怪物性ではなく、“集団が正義を名乗った瞬間に生まれる残酷さ”。信仰・儀式・審判──その言葉が、暴力を正当化するスイッチになったとき、最も恐ろしいのは“感染”ではなく“納得してしまう人の心”だ。
はたして10の考察は、当たっているのか、ハズレなのか。おそらく、『28年後… 白骨の神殿』では、これらの考察のはるか上をいく展開が待っているに違いない。公開前に前作を見返しておくと、「あの台詞」「あの小道具」「あの一瞬の視線」が、続編で“意味”に変わるはずだ。
映画『28年後… 白骨の神殿』は2026年1月16日(金)全国公開
映画『28年後…』はデジタル配信中 発売・販売元:株式会社ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
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