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デザイナー、トム・フォードの初監督作が高い評価!ファッションは商品、映画はアート

第34回トロント国際映画祭

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コリン・ファースとトム・フォード-第34回トロント国際映画祭にて
コリン・ファースとトム・フォード-第34回トロント国際映画祭にて - Photo:Akemi Nakamura

 すでにヴェネチア国際映画祭で上映され、主演のコリン・ファースが満場一致で、主演男優賞を受賞した『ア・シングル・マン』(原題)で関係者を驚かせたのは、この作品が、かのファンション・デザイナー、トム・フォードの初監督作であるということだ。しかも、脚本も共同執筆している。

 「映画を作るのは長年の夢だった」と語る彼は、「映画とファッションには似た部分がある」と言う。「まず自分のビジョンがないといけない。そしてそれをチーム・ワークで完成させていかなくてはいけない。さらにクリエイティビティがなくてはいけない。また自分のビジョンに向かってチームを引っ張っていく力がなくてはいけない」と語る。しかし、「映画はファッションの延長線上にあるものではなく、ファッションの寿命は短くて、1年くらい経ってしまえば、もう古いものとなる」と熱く語る。

 また、ファッションはあくまで商品であるということを念頭に置くが、映画はよりパーソナルでアーティスティックで、今の彼にとってはより重要な意味を持つのだそう。今作は、クリストファー・イシャードによる同タイトルの小説を映画化したもので、ロサンゼルスに住むゲイの教授がパートナーの男性を亡くすという物語だ。ファースの起用についてフォードは「彼はセクシーだが、そのセクシーが何気ないところが素晴らしいと思った」と言い、また「ゲイが主人公だが、もっとユニバーサルなものとして観てもらえたらとてもうれしい」と語った。(取材・文:中村明美 / Akemi Nakamura)

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