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101歳!世界現役最高齢の映画監督のオリヴェイラ監督にスタンディングオベーション!

第63回カンヌ国際映画祭

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101歳!世界現役最高齢の映画監督のマノエル・ド・オリヴェイラ監督
101歳!世界現役最高齢の映画監督のマノエル・ド・オリヴェイラ監督 - Photo:Harumi Nakayama

 第63回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門が現地時間13日、オープニング作品のポルトガル出身マノエル・ド・オリヴェイラ監督作『ザ・ストレンジ・ケイス・オブ・アンジェリカ』で幕を開けた。世界現役最高齢の映画監督101歳で、毎年新作をカンヌやヴェネチア国際映画祭で発表しているオリヴェイラ監督も現地入り。杖さえついているものの、介助なしで5段の階段も難無く登ってステージに登場すると、観客はスタンディングオベーションで、マエストロ(巨匠)に敬意を表した。

第63回カンヌ国際映画祭 コンンペ作見どころ・ストーリー

 故郷ポルトガルを舞台にした新作は、結婚式直前にして急逝した若き花嫁アンジェリカ(ピラール・ロペス・ド・アジャラ)の、ウェディング姿の遺体写真を依頼されたカメラマンのイザック(リカルド・トレパ)が、以来、死の幻想に捕らわれてしまうポエティックなストーリー。記者会見では「悲観的な内容で、生へのエネルギーがなくなったのか?」という質問もあったが、オリヴェイラ監督は「それが人生であり、映画じゃないか。死というのはわれわれにとって、生まれたときから必ず訪れる唯一確かなこと。それに例え肉体は死んでも、魂は生き続けるものなのだ。だから死を恐れてなんかいないね。怖いのは苦しみだけだけど、幸いわたしはまだその苦しみを味わったことがないからね(笑)」とひょうひょうと答えて、記者たちの笑いを誘っていた。

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 また劇中では昨今の世界同時不況も話題にしていることから「映画制作者に不況に対応するアドバイスを」と聞かれ、「アドバイスは必要ないだろう。必要なのは、アクションを起こすことのみだ」など含蓄ある言葉を連発し、約50分間、記者たちとの問答を楽しんでいた。

 ちなみに、日本での現役最高齢監督で、世界ではオリヴェイラ監督に続く2位となる98歳の新藤兼人監督だ。しかし新藤監督は現在撮影中の『一枚のハガキ』を「最後の監督作」と公言している。そんなライバルをよそに、オリヴェイラ監督はまた新たな企画に挑むことを意欲満々に語っていた。(取材・文:中山治美)

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