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谷原章介「ブランチ」時代の苦労 撮影の合間や移動中も…

正直言って楽になった
正直言って楽になった

 約10年にわたり司会を務めた情報番組「王様のブランチ」(TBS系)を3月で卒業した俳優の谷原章介(44)。「これを機に、本腰を入れて役者と向き合いたい」と語っていたが、4月から新たにMCを務める料理番組「谷原章介の25時ごはん」(TBS系)もスタートし、司会業も引く手あまた。そんな中、“復讐の是非”を問うWOWOW×東海テレビ共同製作のサスペンスドラマ「連続ドラマW 犯罪症候群 Season2」では、怒りと悲しみを胸に秘めた刑事役に挑んでいる。俳優と司会の両輪で活躍する谷原は、自身の現在のスタイルをどう受け止めているのだろうか。

【写真】未成年の犯罪者を殺すことに…谷原演じる鏑木

 「王様のブランチ」を卒業した谷原は「正直言って『楽になった』というのが本音。初代司会者の寺脇(康文)さんとドラマでご一緒したときに『終わったら大変さがわかるよ』と言われたんですが、今、身をもって実感しています」と吐露。「番組に必要な情報を得るために、撮影の合間や移動中、就寝前の時間を利用して、DVDを観たり、本を何冊も読んだり……10年間ずっとブランチのために自分の時間を使ってきたんだなと気付いたら、本当に肩の荷が下りた」と安堵の表情を浮かべる。

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 ただ、大変だった分、感謝の気持ちも人一倍大きいという。「嬉しいことに、司会やナビゲーターをたくさんやらせていただいていますが、全てブランチの中にあった要素が生きているんですよね。10年間お世話になったおかげで、次の10年間の糧をいただいたなと心から感謝しています」。

 そもそも、俳優として食べていけない時代にバラエティーなどさまざまな仕事をマネージャーに勧められやったことが司会業につながった。「なんでも挑戦、ダメだったら辞めればいい」という気持ちでバラエティーを始めたという谷原は「俳優で司会をされる方が、近年、減ってきているイメージがありますが、この系譜をなんとか継承していきたい」と決意を新たにし、「ただし“俳優”を続けてきたからこその“司会者”という原点は忘れずに」と気を引き締める。

谷原章介

 その意志を裏付けるかのように、渾身の演技で挑んでいるのが「犯罪症候群 Season2」。本ドラマは、表面化できない“特殊任務”に就くことになった元刑事の武藤(玉山鉄二)と、その親友である現役刑事・鏑木(谷原)、そして特殊任務を指揮する環(渡部篤郎)の3人を軸に、警察が表立って捜査できない事案を重厚に描く社会派サスペンスだ。

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 原作は、貫井徳郎の大人気3部作「失踪症候群」「誘拐症候群」「殺人症候群」。谷原は、武藤を冷静に支えてきたが、シーズン2で胸に秘めた怒りと悲しみで人格破壊を起こす鏑木を熱演する。妹・小百合を少年に殺され、一瞬殺意を感じたことへの罪悪感から、刑事を辞める武藤。一方、恋人だった小百合を失いながら、怒りと悲しみを胸に秘める鏑木。対照的な二人だが、シーズン2では新たな展開を見せる。

 谷原は「武藤は妹を殺した犯人を殴ったり、警察を辞職したり、行動を起こすことでガス抜きをしていますが、鏑木は心にマグマをため込んでいる」と分析。「シーズン2では鏑木の描かれなかった『陰』の部分が表面化していくのですが、彼は表の顔では警察としての正義を守りながらも、未成年の犯罪者を殺すことになる。恋人が殺されたことは彼の中の大事な部分をむしばんでいったのかもしれません」と話す。

 「もしも身内や恋人が犯罪に巻き込まれたら……自分に置き換えながら、あらためて『正義』や『復讐』について考えていただけるキッカケになれば」と力強く締めくくった。(取材・文・写真:坂田正樹)

「連続ドラマW 犯罪症候群 Season2」は6月11日よる10時、WOWOWプライムにてスタート(第1話無料放送)
オトナの土ドラ「犯罪症候群 Season1」最終話は5月27日よる11時40分~東海テレビ・フジテレビ系全国ネットで放送

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