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カンヌ男優賞、無差別銃乱射事件の犯人を描く『ニトラム』公開決定

ケイレブ・ランドリー・ジョーンズが大量殺人犯を演じる『ニトラム/NITRAM』
ケイレブ・ランドリー・ジョーンズが大量殺人犯を演じる『ニトラム/NITRAM』 - (C) 2021 Good Thing Productions Company Pty Ltd, Filmfest Limited

 『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』などの個性派俳優ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ主演で、オーストラリア史に残る無差別銃乱射事件の犯人を描き、第74回カンヌ国際映画祭男優賞に輝いた映画『ニトラム/NITRAM』が、来年3月25日に日本公開されることが決定した。

映画『ニトラム/NITRAM』特報

 本作は、1996年4月28日にオーストラリアの観光地、ポートアーサーで起きた無差別銃乱射事件(通称:ポートアーサー事件)の犯人の半生を描く映画作品。コロンバイン高校銃乱射事件の3年前に起こり、2倍以上の死者を出した同事件は、当時27歳の単独犯の動機が不明瞭であったことも手伝い、新たなテロリズムの恐怖に国内は騒然。オーストラリアの銃規制法改正にも影響を及ぼした。

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 本作が描くのは、事件当日に至るまでの犯人の日常。1990年代半ばのオーストラリア、タスマニア島。観光地の閉塞したコミュニティーに暮らす、20代半ばの青年は、なぜ銃を求め、いかに入手し、犯行に至ったのか。その不可解な半生を映し出す。

 主人公のニトラム(NITRAM)を演じるケイレブは、コーエン兄弟製作の『ノーカントリー』を皮切りに、『アンチヴァイラル』『ゲット・アウト』『スリー・ビルボード』『神様なんかくそくらえ』など話題作に相次いで出演。「ニトラム」の内面に巣食う孤独と劣等感、屈折した男性性やナルシシズムを表現した演技が高く評価され、カンヌ映画祭で男優賞に輝いた。

 事件から25年、オーストラリア国内でもいまだ議論が交わされ続けている事件なだけに、当初は映画化に否定的な声も大きかったというが、犯人の人物像を多角的、多層的、多極的に描いた倫理的な姿勢や、圧倒的なリアリティーが高く評価され、2021年12月に発表されたオーストラリア・アカデミー賞で作品賞・監督賞・脚本賞ほか主要8部門で受賞した。監督は『マクベス』『アサシン クリード』などのジャスティン・カーゼル。同監督の『スノータウン』『トゥルー・ヒストリー・オブ・ザ・ケリー・ギャング』を手がけたショーン・グラントが脚本を執筆した。(編集部・入倉功一)

映画『ニトラム/NITRAM』は2022年3月25日より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷・有楽町ほか全国公開

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