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『ミッドサマー』に続け!アカデミー賞席巻A24のホラー映画に今年は大注目!

『ミッドサマー』監督とホアキン・フェニックスがタッグを組んだ期待の新作『ボー・イズ・アフレイド(原題)』
『ミッドサマー』監督とホアキン・フェニックスがタッグを組んだ期待の新作『ボー・イズ・アフレイド(原題)』 - (C)A24

 先日発表された第95回アカデミー賞で『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』が作品賞を含む最多7部門、『ザ・ホエール』も2部門を受賞し主要部門を総なめ、計9つの賞に輝くという、まさに今年のオスカーで圧倒的勝利を収めたA24。先鋭的でアーティスティックなジャンル映画を製作・配給することで有名なこのインディペンデントスタジオは、これまでに『へレディタリー/継承』(2018)、『ミッドサマー』(2019)、『ウィッチ』(2015)、『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』(2013)など独創的なホラー映画の数々を放ってきたが、今年もA24のホラーに大注目だ。

【動画】日本でもスマッシュヒットA24『ミッドサマー』本編映像

 その筆頭が、1月のサンダンス映画祭で絶賛され、争奪戦が繰り広げられた結果、A24が北米の配給権を獲得したオーストラリアのホラー『トーク・トゥ・ミー(原題) / Talk to Me』。ミアと友人たちは、防腐処理が施された謎の人間の手(!)を使って霊を召喚できることを発見するが、その未知なるスリルにのめりこみすぎてしまい、ある恐ろしい存在を解き放ってしまう……というストーリー。ベルリン国際映画祭やSXSW(サウス・バイ・サウスウェスト)映画祭でも上映され話題を呼び、北米では7月28日に大規模公開されることが決定した。

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『トーク・トゥ・ミー(原題)』(C)A24

 本作は双子の監督ダニー・フィリッポウマイケル・フィリッポウの長編デビュー作だが、2人の過激なコンテンツ満載のYouTubeチャンネル「RackaRacka」は登録者数672万人を誇り、再生回数はなんと計20億超え。『トーク・トゥ・ミー(原題)』はハリウッド中で大きな噂となり、スティーヴン・スピルバーグアリ・アスターが絶賛。監督コンビはジェイソン・ブラムジョーダン・ピールサム・ライミといったホラー界を代表する大物プロデューサーたちからもラブコールを受け、次回作についてのミーティングを行うなど、今後の大ブレイクは間違いなし。海外のインタビュー映像を見ると、2人は伊藤潤二の「ギョ」や、「ベルセルク」のTシャツを着用しており日本の漫画やアニメの造詣も深そうだ。『トーク・トゥ・ミー(原題)』はすでに日本の配給元も決定しており、今年の後半か来年には劇場公開されるだろう。

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 『ミッドサマー』に続くアリ・アスター監督の最新作『ボー・イズ・アフレイド(原題) / Beau Is Afraid』も、いよいよ4月21日に北米で封切られる。ホアキン・フェニックス演じるボーは、威圧的な母親とは複雑な関係で、父親の存在は知らず極度の不安症を抱えながらも、気立てのいい男。ある日母親が急逝し、実家を目指すボーはカフカ的なシュールで壮大な旅を通じて最悪の恐怖に直面する、という数十年のスパンに渡るダークなコメディホラー。アスター監督が2011年に発表した短編映画『ボー(原題) / Beau』をベースにしているようだが、今回も過去の2作同様、家族の悲劇とトラウマを題材にしている。アメリカではR指定で上映時間は2時間59分。ネイサン・レインエイミー・ライアンパーカー・ポージーが共演。撮影監督は『ミッドサマー』『ヘレディタリー』のパヴェウ・ポゴジェルスキ。アスター作品史上最大の問題作にして最も複雑怪奇な作品に仕上がっている予感がする。日本でも年内には公開されるだろうか? また、アリ・アスターがプロデュースしたA24製作&配給のクリストファー・ボルグリ監督作(『シック・オブ・マイセルフ(原題) / Sick of Myself』)、ニコラス・ケイジ主演のホラーコメディ『ドリーム・シナリオ(原題) / Dream Scenario』はすでに完成済みで、今年5月のカンヌ国際映画祭でお披露目になる可能性もありそうだ。

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スコセッシも称賛する『X エックス』(2022)の前日譚『パール(原題)』(C)A24

 昨年話題を呼んだタイ・ウェスト監督のスラッシャー『X エックス』(2022)のプリクエル(前日譚)、『パール(原題) / Pearl』も遂に日本で封切られる。『X エックス』で一人二役を演じたミア・ゴスが主演を務め、同作に登場した極悪老婆パールのオリジンを描く。登場キャラクターは少なくミア・ゴスの独壇場で、彼女の強烈なパフォーマンスは圧倒的(ゴスはタイ・ウェストと共同で脚本も執筆している)。1918年のテキサスを舞台にしたこのホラーは、テクニカラーの名作『オズの魔法使』(1939)や『メリー・ポピンズ』(1964)にオマージュを捧げており、あのマーティン・スコセッシも激賞。3部作の最終章『マキシーン(原題) / MaXXXine』は現在製作が進められており、『X エックス』で生き残ったミア・ゴス演じるマキシーンが1980年代のハリウッドでスターを目指す、というストーリー。今度は映画の都ハリウッドが鮮血に染まる。

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『パール(原題)』より(C)A24

 来年以降も、A24ホラーは期待作が続々と待機中。『ウィッチ』ロバート・エガース監督の兄弟、マックス・エガースサム・エガースがメガホンを取る『ザ・フロント・ルーム(原題) / The Front Room』は、妊娠中の女性とパートナーが病気を患う疎遠の義母を引き取ることになり悪夢に見舞われる、というサイコホラーだ。1990年代に一世を風靡(ふうび)したシンガーで女優のブランディーが主演の1人を務めている。またジェーン・シェーンブルン監督の『アイ・ソウ・ザ・TV・グロウ(原題) / I Saw the TV Glow』は、今年2月の日本ツアーも大盛況だった人気シンガーシングライター、フィービー・ブリジャーズやスネイル・メイルのリンジー・ジョーダン、リンプ・ビズキットのフレッド・ダーストらミュージシャンも多数出演する、突然謎の放送中止となったホラーテレビシリーズを巡るティーンホラー。同作はエマ・ストーンの製作会社フルーツ・ツリーとA24の共同製作で、ストーンがプロデューサーに名を連ねている。

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 そして真打ちは、サンダンスやカンヌで上映されセンセーションを巻き起こしたニコラス・ケイジ主演のリベンジホラー『マンディ 地獄のロード・ウォリアー』(2018)で脚光を浴び、Netflix「ギレルモ・デル・トロの驚異の部屋」(2022)の一編「観覧」(The Viewing)で代名詞でもある80年代テイストのワイルドなホラーを披露したパノス・コスマトス監督の最新作『Nekrokosm(原題)』も年内に撮影が始まる。幻想的で奇妙な銀河の深部で離れ離れになった恋人同士が、邪悪な勢力の侵略に直面しなんとかサバイブしようと試みる、というSFファンタジーホラーだ。ダークで荘厳ながらロマンティックな香りがする。どんなキャストが集結するのか、発表を待ちたい。(小林真里)

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