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乃木坂46・久保史緒里「どうする家康」の神回を振り返る

第25回「はるかに遠い夢」より久保史緒里演じる五徳
第25回「はるかに遠い夢」より久保史緒里演じる五徳 - (C)NHK

 大河ドラマ「どうする家康」(NHK総合で毎週日曜よる8時~ほか)で織田信長(岡田准一)の娘・五徳を演じる、アイドルグループ・乃木坂46久保史緒里(21)。五徳は、幼くして徳川家康の嫡男・松平信康(細田佳央太)に嫁ぎ、織田家と徳川家の板挟みとなり葛藤を重ねた役どころ。かねてから夢だったという大河ドラマ初出演を果たした本作での思い出深いシーンの数々を振り返った(※ネタバレあり。第25回までの詳細に触れています)。

【画像】五徳と築山事件

 アイドルとしてもカリスマ的な人気を博す一方、チェーホフの舞台「三人姉妹」やミュージカル「美少女戦士セーラームーン」、「夜は短し歩けよ乙女」など舞台でキャリアを重ね、近年はドラマ、映画へと活躍の場を広げる久保。「どうする家康」で演じる五徳は、信長の娘としての血筋と、夫・信康ら徳川との絆の間で揺れ動き、“築山殿事件”にかかわるキーパーソンでもある。築山殿事件とは、家康(松本潤)の正室・瀬名(有村架純)と、その息子で五徳の夫でもある信康が死に至った悲劇だ。

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 初回から観ていたという久保に「神回」となったエピソードを尋ねると、第18回「真・三方ヶ原合戦」を挙げた。「家康に名前を覚えてもらえない家臣」として描かれてきた夏目広次(甲本雅裕)をメインにしたエピソードで、広次が武田軍と徳川・織田連合軍の「三方ヶ原の戦い」で苦境に立たされた家康のため命を投げだすさまが描かれた。

 「わたしが出演させていただいた回でもあるんですけど、リハーサルからシーンを拝見するなかで、実際にこの緊迫したシーンはどうなるんだろうと思っていたのですが、何回見ても涙が出ます。殿が広次さんの名前をずっと覚えられなかった理由に対して、初回から伏線が張られていたという。先の展開を知っていたからこそ、古沢(良太)さんの脚本がすごいと思いました」

五徳が信長に顔をわしづかみにされた第22回

 6月11日放送の第22回「設楽原の戦い」では、信長が五徳に徳川家を見張るように詰め寄り、五徳の顔をわしづかみにする強烈なシーンが反響を呼んだ。娘であろうと容赦ない信長の恐ろしさが際立つシーンだったが、久保は本シーンでの岡田との共演をこう振り返る。

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 「岡田さんご自身はすごく優しい方で、リハーサルでも“ごめんね”と気を遣ってくださったんですけど、現場に入るとすごく威厳があって、かなわない存在だと感じました。顔をわしづかみにされるシーンでは(秀吉役の)ムロツヨシさんから“(岡田さんの芝居は十分怖いので)リアクションは準備しなくても大丈夫だよ”と言っていただきましたけど(笑)、あそこが最も五徳が信長とかかわるシーンで、五徳にとっての織田家の家族の形を表す大事なシーンでもあったと思います。あの時は、すでに五徳の気持ちが徳川方に寄っていたと思うのですが、父に見張れと言われたら “はい”と言うしかなくて。そんな五徳の気持ちは、あの場で岡田さんに引き出していただいたと思います」

五徳が瀬名に歯向かった第20回

 5月28日放送の第20回「岡崎クーデター」も、久保にとって思い出深いエピソード。もともと信長の娘としてのプライドが高かった五徳が、姑の瀬名に歯向かう展開。武田軍との戦いで負傷した兵たちが運ばれてきた際、五徳は「このような汚い男どもに触れるなんてできません」と介抱を拒み、瀬名を激怒させた。

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 「演出陣や共演者の皆さんと、“五徳が徳川方に気持ちが動いた瞬間はいつなのか”という会話をよくしていたんです。有村さんをはじめ皆さんと意見が一致したのは、五徳が瀬名さんに“そなたも三河のおなごであろう”と怒られたときじゃないかということ。幼さやプライドから瀬名さんに“無礼者!”と言い返してはいたけれども、瀬名さんの一言がおそらく五徳の心に引っかかっていたのではないか。五徳の中に徳川家に嫁いだ女性としての意思みたいなものが芽生えた瞬間だったんじゃないかと思うので、あのシーンもすごく大事で思い出深いシーンです」

 五徳が瀬名と武田の間者・千代(古川琴音)の密会を信長に密告した第23回「瀬名、覚醒」に続く第24回「築山へ集え!」では、五徳の気持ちが一気に信康に傾く展開となった。瀬名の謀(はかりごと)の真意を知った五徳はこれ以上告げ口をしたくないと言い、「信康さまをお慕い申し上げております」と信康への愛を吐露する。

 久保は五徳の変化について「五徳は、初めは信長の娘であるプライドを強く持っていたと思うんですけど、徳川家の人々と時間を共にしていくうちに、信康の妻としてのプライドも同じぐらい強く持つようになったと思うんです。父に徳川家を見張れと言われて織田方に気持ちが傾き、揺らぐこともありましたが、五徳は徳川家を一番客観的に見られた人物でもある。だけれど、自身が身ごもったことで自分の家族を守りたい気持ちが強くなって決意が固まったのかなと」と思いを巡らせる。

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 また、五徳が瀬名の謀を知った時の心境を、信長の娘であるゆえに抑えていた感情の蓋が外れた瞬間だったと振り返る。

 「それまでは、同じ時代を生きる女性として瀬名さんの強さや覚悟に感化されつつも、徳川家を客観視してきたぶん、父の存在が大きかったんですよね。だからこそ、“されどそのようなことは我が父が許さぬでしょう”と冷静な目を持てたのだと思います。同時に、五徳の気持ちがかなりぐっと徳川方に寄った瞬間でもあって。だからこそ瀬名さんの話を聞いた上で“信康さまについてまいります”という言葉がすっと出てきたと思うので。あの時には瀬名さんの謀を信長に伝える意思はなかったと思います。第23回で(水野信元が斬られたことを知って)“我らも気を付けなければなりませぬなあ。疑われるようなことがないように”と瀬名さんに告げたのも、五徳としては“お願いだからこれ以上怪しい行動をしないでほしい”ということだったと思うので。警告したにもかかわらず瀬名さんが行動を起こしたことで、五徳も同じ徳川の家族としてその覚悟を受け入れようと気持ちが固まったのではないかと思います」

夫・信康との別れ……第25回より

 7月2日放送の第25回「はるかに遠い夢」では、ついに築山殿事件へ。これまでは演技に対して悔しさや苦しさが先立つことが多かったが、最後のシーンでは思い切り楽しむことができたという。「お芝居をしていて、楽しいと感じるまでにたどり着けないことはあります。これまでは自分の実力が追い付いていないことへの悔しさが強かったのですが、『どうする家康』ではわたしにとって最後のシーンの撮影がすごく楽しくて。悲しいシーンではありますが、五徳として生きること、お芝居をすることを楽しく感じられた。信康さんとお別れするシーンだったのですが、山田八蔵を演じられた米本学仁さんが涙を流して喜んでくださったんです。五徳と信康さんはケンカもしたしいろいろなことがあったけど、そんな二人がここに行きついたのかと。細田さんとわたしも、まさか自分たちがこうなるとは思いませんでしたし、古沢さんが描く五徳と信康がすごく好きでした」。晴れやかな表情で初大河の撮影を振り返っていた。(編集部・石井百合子)

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