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ギャレス・エドワーズ&山崎貴『ザ・クリエイター/創造者』対談 “イバラの道”でもオリジナル映画を作る意味

ギャレス・エドワーズ監督&山崎貴監督、二大クリエイターの対談が実現 - 写真:高野広美
ギャレス・エドワーズ監督&山崎貴監督、二大クリエイターの対談が実現 - 写真:高野広美

 映画『GODZILLA ゴジラ』『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』などで知られるギャレス・エドワーズ監督が、最新作『ザ・クリエイター/創造者』を引っ提げ来日し、『ゴジラ-1.0』の公開を控える山崎貴監督と初対面を果たした。共に『ゴジラ』映画を手がけ、自ら脚本執筆やVFX制作もこなすなど共通点が多い二人が、『ザ・クリエイター/創造者』を通して感じた、オリジナル作品の重要性について語り合った。

【動画】山崎貴監督も絶賛!『ザ・クリエイター/創造者』日本版本予告

 『ザ・クリエイター/創造者』は、人類と人工知能(AI)の戦争が激化する近未来“ニューアジア”を舞台にしたSFアクション。人類滅亡のための兵器を生み出した創造者(=クリエイター)の暗殺任務を遂行する元特殊部隊のジョシュア(ジョン・デヴィッド・ワシントン)が、超進化型AIの少女・アルフィー(マデリン・ユナ・ヴォイルズ)と出会い、ある理由から行動を共にすることになる。やがて戦いが激しさを増す中で、人間であるジョシュアと、AIのアルフィーの間に深い絆が生まれていく。

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 エドワーズ監督と山崎監督は、共に映画業界を志すきっかけとなった作品として『スター・ウォーズ』を挙げている。『ローグ・ワン』を大絶賛する山崎監督は、「日本中の映画人が『スター・ウォーズ』を作りたいと憧れを抱くなかで、監督3作目にして『スター・ウォーズ』を撮った男がいるというニュースが入ってきて、当時は許せないと思いました(笑)」とエドワーズ監督に羨望の眼差しを向ける。

共に『スター・ウォーズ』をきっかけに映画業界を志す - 写真:高野広美

 『スター・ウォーズ』に憧れたエドワーズ監督は、国立UCA芸術大学で映像を学んだ後、視覚効果スタッフとしてのキャリアを築いた。しかし、2010年に『モンスターズ/地球外生命体』で長編デビューするまで、映画監督への道は長く険しかった。「『スター・ウォーズ』に触発されて映画監督を目指す中で、いろんな道があります。私も山崎監督と同じようにVFXの世界を選んだのですが、かなり長いこと監督という仕事に結びつきませんでした。『道を間違ってしまったのではないか?』と悩んだこともありました」

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 エドワーズ監督の言葉を聞いた山崎監督は、「私も特撮を撮りたいと思ってこの世界を目指しました。日本における特撮は『本編』と『特撮』に分かれている事が多かったので、特撮監督を目指しましたが、なかなか宇宙船の発注が来なかったので、『自分でやるしかない!』と思いジョブチェンジをしました」と映画監督になったきっかけを説明する。「監督になって思ったのは、VFXを詳しく知っていることがめちゃくちゃ強い武器になる時代になったということ。ジェームズ・キャメロン監督(『タイタニック』『アバター』)のおかげです。それをすごく感じる時代が来たので、結果的には非常にラッキーだったなと思います」

 『ザ・クリエイター/創造者』は、エドワーズ監督の原点である『モンスターズ/地球外生命体』以来の完全オリジナル作品。脚本はエドワーズ監督が『ローグ・ワン』でタッグを組んだクリス・ワイツと共に執筆し、視覚効果はILM(インダストリアル・ライト&マジック)が担当するなど、エドワーズ監督の集大成作品としても注目されている。

 作品を鑑賞した山崎監督は、「今の時代にふさわしい映画」と絶賛する。「世界が今抱えている問題が、寓話という形で、映画の中に詰まっている。SF作品の大事な役目だと思います。それがとても高いレベルで実現されていました。しかも、最終的には人類の物語であるところが、すごく胸を打たれました。人間はどう生きるべきか、他者とどう向き合っていくべきかということを、非常に深いレベルで伝えている作品。今の時代にものすごくコミットしている内容で、作られるべくして誕生した作品だと思います」

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対談後編では『ゴジラ-1.0』について語り合う - 写真:高野広美

 近年、『ザ・クリエイター/創造者』のようなオリジナル映画は減少傾向にあり、映画産業では、IP(知的財産)に基づく、ブロックバスター映画(超大作)や人気シリーズのリメイク&続編作品が増えてきている。監督・脚本・VFXを自らこなす二人にとって、オリジナル作品の醍醐味や難しさとはどこにあるのか? 山崎監督は「今の時代、何かのIPではないオリジナル脚本を執筆して、それを作品として仕上げることは、ものすごくイバラの道なんです」と吐露する。

 「エドワーズ監督が『スター・ウォーズ』と『ゴジラ』をやり、オリジナルSFも作ったということは、私たちみたいな映画人の夢を叶えているので、純粋にすごいことです。道しるべがない中で、確固たる自分の意見を持って『オリジナル作品が今必要なんだ』と製作することは、すごくタフなハートを持ってないとできません。それを成し遂げたことだけでも本当に素晴らしいことですし、自分もオリジナル作品を作りたいと刺激を受けました」

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 山崎監督の言葉を聞いたエドワーズ監督は、「皆さんがオリジナル作品を素晴らしいと評価してくださるのですが、最初のアイデアだけがオリジナルだと思うんです」と続ける。「例えば、私の場合はアジア圏を舞台にAIの物語を作りたいということが、『ザ・クリエイター/創造者』のアイデアとして存在していました。『ゴジラ』のようなIP作品だとしても、ゴジラはゴジラとしてそこに存在していて、ほかは全てオリジナルだと私は思っています」と持論を述べていた。(取材・文:編集部・倉本拓弥)

映画『ザ・クリエイター/創造者』は全国公開中

映画『ゴジラ-1.0』は11月3日(金・祝)全国公開

映画『ザ・クリエイター/創造者』日本版本予告|10月20日(金)劇場公開! » 動画の詳細
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