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『ゴールデンカムイ』山崎賢人、負けず嫌いと気合いで駆け抜けた20代振り返る

山崎賢人
山崎賢人 - 写真:上野裕二

 『キングダム』「今際の国のアリス」シリーズなど、ビッグタイトルへの主演が相次ぐ山崎賢人(※「崎」はたつさき)。野田サトルの大ヒット漫画を実写映画化する『ゴールデンカムイ』(1月19日公開)では、“不死身の杉元”の異名を持つ主人公のギラギラとした生命力、にじみ出る優しさまでを体現。また新たな扉を開いた。今年9月に30代に突入するが、話題作の主演というプレッシャーを背負い続けた20代は「とても濃いものになった」としみじみ。山崎が、負けず嫌いな性格と周囲への感謝を“気合い”へと昇華させてきた道のりを語った。

山崎賢人、黒で魅せる…撮りおろし<7枚>

杉元の「果てしない生命力」を見せる

『ゴールデンカムイ』より杉元(山崎) (C)野田サトル/集英社 (C)2024映画「ゴールデンカムイ」製作委員会

 明治末期の雪深い北の大地を舞台に、脱獄囚や歴戦の猛者など一癖も二癖もある個性的なキャラクターたちが、莫大な埋蔵金を巡る一攫千金バトルを繰り広げる姿を活写する本作。山崎が演じた杉元は、日露戦争で武功をあげ、その闘いぶりから“不死身の杉元”と呼ばれる元陸軍兵だ。

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 制作プロダクションは、山崎が天下の大将軍になる夢に向かって突き進む戦災孤児・信を演じている『キングダム』シリーズのクレデウス。累計発行部数2,700万部を突破する人気漫画を実写映画化する一大プロジェクトのオファーを受けた山崎だが、これまで信頼を積み重ねてきたチームとの再タッグに「絶対に面白いものができる」と確信したと回想。「杉元はいろいろなことを乗り越えてきた男。そういった男を演じられると思うとうれしくて。もちろんプレッシャーもありましたが、ぜひやらせていただきたいと思いました」と前のめりになって飛び込んだ。

 原作を読んで「杉元のことがものすごく好きになった」と愛情を傾けた山崎。杉元を演じる上では「“不死身の杉元”と呼ばれる男のメンタルを持っていなければいけない。いつスイッチが入るかわからない狂気のようなものを大事にしつつ、たたずまいからも彼の“果てしない生命力”を見せられたらいいなと思っていました。また相棒となるアシリパ(※リは小文字)さんといろいろなことを乗り越えていくうちに見えてくる、杉元の人間らしさを表現できたらと思っていました」と原作にリスペクトを込め、覚悟したことを明かす。

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アクションシーンに日本の武道を反映

至近距離の格闘シーンは見せ場の一つ (C)野田サトル/集英社 (C)2024映画「ゴールデンカムイ」製作委員会

 死線をくぐり抜けてきた杉元の生命力を表現するため、肉体改造にも挑んだ。「できるだけ身体を大きくしようと思った」と切り出した山崎は、「10キロくらい増やせたと思います。週3、4日ほどウエイトトレーニングをしていました。食事は、1日に4食を食べて、主にステーキなど肉を摂るようにしていました」と具体的な数字を口にするのが照れくさい様子を見せながら告白するなど、謙虚な姿も彼の大きな魅力。軍事練習にも励み「模擬銃を買って、家でも銃を手に馴染ませるようにしていました」と続ける。

 二〇三高地での激戦シーンが描かれる映画冒頭から、迫力たっぷりのアクションを目にすることができる。アクションには定評のある山崎だが、個性的なキャラたちが激しくぶつかり合う本作では、また新たなアクションに挑戦している。アクション監督の下村勇二と相談を重ねつつ、杉元の心情に根差したアクションを目指し「どんな時でも生き抜く強さ。やられる前にやるという強さを大事にしていました」と述懐。「今回は素手を使って、近距離で相手を倒していく闘いが多くて。空手や日本の武道に基づいた動きを練習しました」と語る。

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 とりわけ大変だったのが「馬ゾリに引きずられるシーン」。メガホンをとった久保茂昭監督は「普通だったら合成でやるところも、賢人くんは自ら挑戦してくれる」と昨年12月20日に行われた完成報告会で驚いていたが、山崎は「実際に地面に着いた状態で、馬ゾリに引きずられました。楽しかったです」とにっこり。ヒグマとの対決もシーンも「現場ではヒグマの特殊造形と戦ったり、毛皮をつけた丸太にしがみついたり、いろいろな方法を駆使して撮影しています。スタッフさんがものすごいアイデアマンばかりで。こういう撮り方をしていくのか! と現場で見ているのも、すごく楽しかった」と充実感をにじませる。「もちろん、大変は大変なんですよ。でも、みんなでそうやって撮っていると“楽しい”の方が上回る。振り返ってみると楽しい思い出ばかりです」と、どんな過酷な撮影も笑顔で乗り越える頼もしさを身につけている。

20代ラストイヤーに思うこと

 杉元は「俺は不死身の杉元だ!」と叫ぶことで自身を鼓舞していく。劇中では山崎がこのセリフに気迫をみなぎらせ、ゾクゾクするような熱気を放つ。山崎は「本当に“俺は不死身だ!”と思いながら言うようにしていました。杉元にとって自分を鼓舞する意味もありつつ、言霊にもなりますよね。僕自身、言霊を信じているところがあります」と打ち明ける。

 未知へのチャレンジを続けてきた山崎だけに、役者業に打ち込む上では「何度も壁にぶち当たってきた」と大きなプレッシャーを感じることも多かった。そんな時、どのように自身を鼓舞してきたのだろうか。

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 「気合いです」と口火を切った山崎は、「この仕事が大好きだし、一緒に作品に取り組んでくれる人たちのことも大好き。その人たちのためにも、ちゃんとやらないといけないなと思うし、“みんな、ありがとう! 一緒に頑張ろう!”という気持ちが湧いてきます。また僕は、とても負けず嫌いで。いろいろな意見をいただくことに対しては“すごいものをやってやるぞ!”という気概を持つなど、負の要素、陽の要素すべてを持ち寄って、立ち向かっています」と力強く語る。

 駆け抜けた20代を振り返ると、「とても濃いものになった。僕はこのお仕事を始めてから15年くらいになります。人生の半分以上、この世界で過ごしていることになる」と思いを馳せた山崎。「本作のプロデューサーを務めている松橋(真三)さんと出会ったのが20代前半で、『オオカミ少女と黒王子』『斉木楠雄のΨ難』『キングダム』とご一緒させていただいてきました。とても大切な出会いをさせてもらったなと思っています。そんな中、実感できているのは、一つ一つ、その時にできる100パーセントの力を注ぎ込んで、“今”という時間を生きていれば良い方向につながっていくということ。そうやって積み重ねてきたからこそ、『ゴールデンカムイ』で杉元という男を演じることができたんだと思います」と常に全力投球な姿勢が、未来へとつながってきた。

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 「自分が積み重ねてきたものが、自然と役に生きればいいなと感じていましたが、年を重ねて、今まで見せたことのないものをたくさん出すことができたのではないかと思っています」と熱を込めるなど、どんな質問にも山崎からは混じり気のないまっすぐな言葉が返ってくる。山崎と現場を共にしたスタッフや共演者にインタビューをすると、彼の癒やし力やひたむきな努力に胸を打たれると、口をそろえて証言するのも大いに納得。「今を大切にしながら、もっと面白い30代を過ごせるように頑張ります!」と宣言した彼のこれからが、ますます楽しみだ。(取材・文:成田おり枝)

ヘアメイク:高橋幸一(Nestation※高は「はしごだか」)/スタイリスト:伊藤省吾(sitor)

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