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ゴールデンカムイ (2023)

2024年1月19日公開 128分

大ヒット漫画を実写化!映画『ゴールデンカムイ』評価は?

編集者レビュー

金カム
(C)野田サトル/集英社 (C)2024映画「ゴールデンカムイ」製作委員会

ゴールデンカムイ』2024年1月19日全国公開

 日露戦争終結直後、北海道を舞台に、莫大なアイヌの埋蔵金を巡る争奪戦を描くサバイバルアクション。“不死身の杉元”こと元陸軍兵の杉元佐一(山崎賢人)とアイヌの少女・アシリパ(山田杏奈)が、24人の脱獄囚の体に刻まれた、埋蔵金の在りかを示す「刺青人皮(いれずみにんぴ)」を求めて、元囚人や歴戦の猛者たちと渡り合う。

 山崎と山田のほか、眞栄田郷敦玉木宏舘ひろしら豪華キャストが共演。原作は野田サトルによる人気漫画。脚本は『キングダム』シリーズの黒岩勉、監督は久保茂昭、制作プロダクションはクレデウスが務める。(山崎賢人の「崎」はたつさき、アシリパの「リ」は小文字が正式表記)

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編集部・石井百合子 評価:★★★★

 『キングダム』では天下の大将軍を目指す戦災孤児、「今際の国のアリス」ではデスゲームに挑むフリーターなど、到底勝ち目のない戦に傷だらけになりながら身を投じていく主人公を演じてきた山崎賢人が、今回も“不死身の杉元”の異名をとる元軍人にハマっている。大日本帝国陸軍第七師団やヒグマとの死闘など、持ち前の身体能力を生かした神業的アクションはもちろん、とりわけ目を引くのは山田杏奈演じる“相棒”アシリパとのコンビネーション。原作でも驚異的なサバイバル能力を誇る彼女を「アシリパさん」と呼び、師匠のようにリスペクトを込めて接する杉元が見心地いいが、映画も同様。同時に、『キングダム』の清野菜名、「今際の国のアリス」の土屋太鳳に続き、山崎には共演相手を際立たせる力があることもわかる。

 特に、原作ファンの間でも人気の杉元とアシリパの“オソマ”(うんこ)やリスを巡るコミカルな会話はともすれば滑ってしまいそうだが、山崎の相手の呼吸に合わせた間合いや絶妙なセリフ回しによって違和感なく成立。それは、矢本悠馬演じる脱獄犯・白石との掛け合いにも言えることだ。全体としては、原作ものにありがちな無理にストーリーを詰め込んだ感もなく、原作のキーになっているアイヌ語をクライマックスに生かす演出も鮮やか。北海道の二風谷に建てた、アシリパの暮らすアイヌの集落など、凝りに凝ったセットも原作ファンを喜ばせるはずだ。

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編集部・入倉功一 評価:★★★★

 日露戦争の英雄とアイヌの少女が、脱獄囚たちの体に彫られた、アイヌの埋蔵金を示す暗号をめぐって軍人や元新撰組と争奪戦を繰り広げる。設定だけでも心躍る大ヒット漫画の実写化に挑んだ本作は、原作に対するリスペクトをひしひしと感じる冒険活劇に仕上がった。

 肉体を酷使した壮絶なアクションと熱すぎる人間ドラマで熱狂的なファンを生んだ、『HiGH&LOW』シリーズの久保茂昭監督と原作の相性はばっちり。善悪を超越した魅力的なキャラクター、綿密な取材に基づくディテールへのこだわり、北海道の大自然、アイヌ文化、野生味あふれるジビエ料理、ヒグマなど、小道具ひとつに至るまで、スクリーンに映る全てに原作の魅力を支える要素が散りばめられていることが見てとれる。

キャラクターの細かい所作まで再現したキャストはもちろん、レオナルド・ディカプリオ主演『レヴェナント:蘇えりし者』の熊を思わせる迫力のヒグマの“熱演”は必見。緩急のバランスが心地いいギャグシーンが差し込まれているのも原作ファンにはうれしいところだろう。

『ゴールデンカムイ』あらすじ

 明治時代後期の北海道。日露戦争に従軍した元陸軍兵・杉元佐一(山崎賢人)は、一獲千金を夢見て砂金を採っていた際、アイヌ民族から奪われた金塊のうわさを知る。金塊を奪った男は投獄されたとき、その隠し場所を示す入れ墨を24人の囚人の体に彫って彼らを脱獄させ、彼ら全員の入れ墨によって一つの暗号が構成されているのだという。あるとき、ヒグマに襲われた杉元はアイヌの少女(山田杏奈)に救われる。アシリパという名前の彼女は金塊を奪った男に父親を殺されており、父の敵を討つため、金塊を追う杉元と行動を共にし始める。

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