オディアール作品の脚本家も参加の深イイ話

原作は児童文学ながら、童話的テイストから一大叙事詩と化していく世界観。そして、『預言者』などジャック・オディアール監督作で知られる脚本家トマ・ビデガンが脚色で参加していることでも分かるように、ある事件を機に人間と関わったことで、次第に悪徳に染まっていくクマたちの姿が描かれる、深イイ話感。もちろん、建築学や西洋美術に裏打ちされた画力と色彩美に加え、オーソン・ウェルズから影響を受けた光と影の使い方など、バンド・デシネ作家でもあるロレンツォ・マトッティ監督の作家性にも圧倒される。オリジナル版同様、ハスキーヴォイスで三役を演じ分ける伊藤沙莉の起用が正解すぎる吹替版もおススメ!