自分探しを超えた、地球を感じる旅!

時は’77年。ヒッピイズムに影響されながらも馴れ合い的風潮を拒絶した女性の自分探しの物語。でも決行の数年前から旅に必要なラクダを飼い馴らす修行を積む計画性があり、その過程が冒険旅行と同じ比重できっちり描かれるのが堅実でイイ。旅に出てからは、おそらく誰もがN.ローグ『美しき冒険旅行』(あれも通過儀礼の物語だ)を想起する大自然の異世界的なランドスケープに陶然となること必至だが、なぜこんな過酷すぎる撮影に自ら臨むのかと、それだけで胸がキュンとなるミア・ワシコウスカに惚れ直す一篇でもあるのだな。ささやかな通過儀礼に一役買うA.ドライヴァーがハインライン「ルナ・ゲートの彼方」を読んでるのにも注目!