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鏡は嘘をつかない (2011):映画短評

鏡は嘘をつかない (2011)

2016年6月4日公開 100分

鏡は嘘をつかない
(C) setfilm
森 直人

“ジョグジャカルタ系”のサラブレッドによる美しい成果

森 直人 評価: ★★★★★ ★★★★★

最近その充実が注目されるインドネシア映画。本作でまず押さえたいのは監督の出自だ。86年生のカミラ・アンディニ。彼女は本作のプロデューサーを務めた監督ガリン・ヌグロホの娘である。ヌグロホは文化都市ジョグジャカルタを拠点にアートシネマを牽引する長兄的存在。オルタナティヴな運動体として、インドネシアの多様性を見せるために様々な土地で撮る、というテーマを掲げている。

本作の舞台となるワカトビは世界遺産の地として有名だが、アンディニは漂海民バジョ族の生活に“伝統と現代”や“土着と文明”の葛藤を盛り込む。シンプルな写実の中で光る高い審美性と詩的洗練。世界の先端に食い込むアジア映画の一例がここにある。

この短評にはネタバレを含んでいます
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