綱渡り的な緊張感で観客を釘付けにする

2013年12月1日 なかざわひでゆき ザ・コール [緊急通報指令室] ★★★★★ ★★★★★

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ザ・コール [緊急通報指令室]

 緊急通報のオペレーターが、携帯電話の通話一本だけで拉致された被害者を救出しようとする。ともすれば映画的なダイナミズムを損ないかねない設定に的を絞りつつ、綱渡り的なギリギリの緊張感を煽りまくることで観客をスクリーンに釘付けにしてしまうブラッド・アンダーソン監督の演出が頼もしい。

 なにしろ、誘拐された少女は移動する車のトランクの中。携帯は使い捨て電話なためGPS機能が使えない。女性オペレーターは内側からテールランプを壊して他の走行車に合図を送るなど様々な指示を出すが、暗く狭い場所へ押し込められた上に恐怖で動揺した少女はなかなか器用には動けない。しかも、運転席の犯人に通話がバレたら一巻の終わりだ。その女性オペレーターが過去の似たような事件で誘導に失敗した過去があり、心にトラウマを抱えているという設定も上手いこと効いている。

 ただ、少々引っかかるのは終盤。一介のオペレーターがそこまでやるか?という展開はそれまでの徹底したリアリズムに水を差すし、最後の決着にしても倫理的に賛否が分かれることだろう。

なかざわひでゆき

なかざわひでゆき

略歴:日本大学芸術学部映画学科卒、同学部大学院卒。映画・海外ドラマのライターとして、TVガイド誌やオンライン情報サイトなどを中心に幅広く執筆活動中。雑誌「スカパー!TVガイドBS+CS」(東京ニュース通信社刊)で15年続くコラム“映画女優LOVE”をはじめ各テレビガイド誌で特集記事やコラムを執筆。著書は「ホラー映画クロニクル」(扶桑社刊)、「アメリカンTVドラマ50年」(共同通信社刊)など。また、数多くの来日スターにインタビューしており、ハリウッドのスタジオや撮影現場へも毎年コンスタントに足を運んで取材をしている。特に海外ドラマの現地取材は本人も数え切れないほど(笑)。旧ソ連のモスクワ育ち。

近況:新しく映画ブログ始めました。よければチェックしてみてください♫なかざわひでゆきの毎日が映画三昧→http://eiga3mai.exblog.jp/

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