シネマトゥデイ

シネマトゥデイ

静寂から香り立つ気品

  • 羊と鋼の森
    ★★★★

    文字で音を表現することに成功した宮下奈都の原作を、音と映像で表現した意欲作。まさに映画的といえるだけに、原作のモノローグをできるだけ排し、観る者の視覚と聴覚に訴えかけ、静寂によって、ただならぬ気品も香り立っていく。『一週間フレンズ』など、ちょい抜けた役をやらせると抜群にハマる山崎賢人もピアノの調律同様、繊細な芝居を魅せ、橋本光二郎監督の演出も『orange オレンジ』と同一人物とは思えないほど冴え渡る。主人公の先輩ら、登場人物が全員善人だったり、この題材で135分の尺というのは腰が引けるかもしれないが、「これはこれでアリ!」という完成された世界観にどっぷり浸れる。そんな良質な人間ドラマである。

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くれい響

くれい響

略歴: 1971年、東京都出身。大学在学中、クイズ番組「カルトQ」(B級映画の回)で優勝。その後、バラエティ番組制作、「映画秘宝(洋泉社)」編集部員を経て、フリーとなる。現在は映画評論家として、映画誌・情報誌・ウェブ、劇場プログラムなどに寄稿。また、香港の地元紙「香港ポスト」では10年以上に渡り、カルチャー・コラムを連載するほか、ライターとしても多岐に渡って活動中。

近況: 『ギャングース』『あの頃、君を追いかけた』『妻の愛、娘の時』『リグレッション』『ブレイン・ゲーム』『香港製造/メイド・イン・ホンコン』『榎田貿易堂』『ボス・ベイビー』『友罪』『フューチャーワールド』『聖なるもの』『カンフー・ヨガ』『星くず兄弟の新たな伝説』『風の色』『マンハント』『犬猿』『チェリーボーイズ』などの劇場パンフにコラム・インタビューを寄稿。「究極決定版 映画秘宝オールタイム・ベスト10」のほか、「1980年代の映画には僕たちの青春がある(キネ旬ムック) 」「悲運の映画人列伝(映画秘宝COLLECTION)」「俺たちのジャッキー・チェン (HINODE MOOK)」に作品・解説などを寄稿。そのほか、「CREA WEB」にて玉城裕規、「TV LIFE」にてJ☆Dee'Zインタビュー記事などが掲載中。

サイト: http://blog.goo.ne.jp/asiareview/

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