まずはともあれ「観る」「知る」ことから

2014年4月3日 森 直人 パンドラの約束 ★★★★★ ★★★★★

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パンドラの約束

本作に登場するのは反原発から推進派に「転向した人たち」である。それだけに原発受容の歴史的文脈を慎重に押さえているのが特徴。例えば悪名高きディズニーの番組『わが友原子力』(57年)も紹介される。

彼らの原発肯定の理由は環境保護の立場から。これは定番の意見。『100,000年後の安全』でも問題視された廃棄物処理は、現在普及している軽水炉ではなく、統合型になれば解決するという。だが我々が3.11で痛感したのは技術信仰そのものの危うさではなかったか。

とはいえ、もし(筆者も含む)反・脱原発派が「映画を観ないで叩く」行為に出ればヒステリックな怒りに閉じてしまう。ここからさらなる議論が始まって欲しい。

森 直人

森 直人

略歴:映画評論家、ライター。1971年和歌山生まれ。著書に『シネマ・ガレージ~廃墟のなかの子供たち~』(フィルムアート社)、編著に『21世紀/シネマX』『シネ・アーティスト伝説』『日本発 映画ゼロ世代』(フィルムアート社)『ゼロ年代+の映画』(河出書房新社)ほか。「週刊文春」「朝日新聞」「キネマ旬報」「メンズノンノ」「Numero TOKYO 」「映画秘宝」などでも定期的に執筆中。※illustrated by トチハラユミ画伯。

近況:YouTubeチャンネル『活弁シネマ倶楽部』でMC担当中。12月18日より、片山慎三監督(『そこにいた男』)の回を配信中。ほか、井筒和幸監督(『無頼』)、内山拓也監督(『佐々木、イン、マイマイン』)、二宮健監督(『とんかつDJアゲ太郎』)、佐藤快磨監督(『泣く子はいねぇが』)、渡辺紘文監督&雄司さん(大田原愚豚舎の世界Vol.2)、黒沢清監督(『スパイの妻』。月永理絵さんとのダブルMC)、原一男監督&島野千尋プロデューサー(『れいわ一揆』)、行定勲監督 feat.東紗友美さん(『窮鼠はチーズの夢を見る』)、足立紳監督(『喜劇 愛妻物語』)、荒木伸二監督 feat.SYOさん(『人数の町』)、城定秀夫監督&平井珠生さん(『アルプススタンドのはしの方』)、田中圭監督(『島にて』)、内藤瑛亮監督(『許された子どもたち』)、諏訪敦彦監督(『風の電話』)、想田和弘監督(『精神0』)、深田晃司監督(『本気のしるし』)、豊島圭介監督(『三島由起夫vs東大全共闘』)、入江悠監督(『AI崩壊』)、タナダユキ監督(『ロマンスドール』)、岩井澤健治監督&大橋裕之さん(『音楽』)等々を配信中。アーカイブ動画は全ていつでも観れます。

サイト: https://morinao.blog.so-net.ne.jp/

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