シネマトゥデイ

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水の冷たさ、清浄さに浸らせてくれる

  • 聖なる泉の少女
    ★★★★★

     画面から、冷たく清浄な冷気が静かに漂ってくる。雪の降る北の山地、山に見守られた湖、その水面の滑らかさ。泉の水の冷たさ、清らかさ。その水の清浄さに浸っているだけで、伝わってくるものがある。
     ストーリーは一応あるが、人々を癒す水が湧き出る聖なる泉、その泉を世話する老いた父親と娘、泉の力の減衰、という民話的古典的なもので、セリフも説明も最小限まで切り詰められている。その分、風景や建築物、生活用品、そこにあるすべての物が、雄弁に語りかけてくる。それに耳を澄ましながらこの世界の冷たさと清浄さを味わい、その心地よさに浸っていると、それが今、ここにはないということが静かに迫ってくる。

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平沢 薫

平沢 薫

略歴: 映画ライター。視覚に訴えかけるビジュアルの派手な映画がお気に入り。「SCREEN」「キネマ旬報」「SFマガジン」「映画.com」等で執筆。著作に「キングスマン:ゴールデン・サークル」ノベライズ、「グレートウォール」ノベライズ、「X-ファイル 2016」ノベライズ、「フランケンウィーニー」ノベライズ、「「ターミネーター:新起動/ジェニシス ビジュアルガイド」翻訳など。ウェブで映画やTVドラマのニュースを追いかけ中

近況: 「マインドハンター シーズン2」@Netflix、物語の面白さはもちろんだが、デヴィッド・フィンチャー監督による映像の端正さに陶然。フィンチャーは、本シーズンは第1話から第3話の監督を担当。前シーズンで彼自身が創り出した、抑えた色調、冷たく滑らかな映像を、さらに極めている感あり。

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