この後のアクション映画の「指針」を作ったのは間違いない

2020年5月26日 斉藤 博昭 ユナイテッド93 ★★★★★ ★★★★★

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ユナイテッド93

ドキュメンタリー風に克明に事件を再現しているようで、実際は「生存者がいない」。機内の恐ろしいまでの攻防は不確実ではあるが、管制室など外部の事実は(本人が演じていたり)再現度満点のため、渦中に放り込まれる恐怖は尋常ではない。乗客・乗員の人間ドラマも限定的。だからこそ、それぞれの悲痛な思いに想像が広がり、これを観た後、事件再現映画で「愛する人への思い」など描かれると、ひたすら白々しく感じるはず。

『無防備都市』のネオ・レオリズモ、『アルジェの戦い』などの伝統を受け継いでいるが、この作品を境にPOV、没入感を過剰に意識したアクション映画が増えたのは確か。その意味で映画の歴史を変えた野心がみなぎる。

斉藤 博昭

斉藤 博昭

略歴:1963年神奈川県藤沢市生まれ。高校時代は映画研究部に所属。1997年よりフリーランスのライターとしてさまざまな媒体に映画レビュー、インタビュー記事を寄稿。得意ジャンルはアクション、ミュージカル。最も影響を受けているのはイギリス作品です。Yahoo!ニュースでコラムを随時更新中。

近況:昨年に続いてトロント国際映画祭はオンラインで参加。導入はエイリアンものの「Encounter」、国民的人気TVジャーナリストをレア・セドゥが熱演する「France」、「ダンケルク」の若手俳優たちが愛欲ドロドロを演じる「Benediction」などが記憶に。

サイト: https://news.yahoo.co.jp/byline/saitohiroaki/

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