「絶頂を踊る」時代のアイコン

2020年9月30日 森 直人 エマ、愛の罠 ★★★★★ ★★★★★

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ツイート
  • シェア
エマ、愛の罠

極めてユニークなパブロ・ラライン監督の新作。ミレニアルよりZ世代に規定できそうなヒロインの若いダンサー、エマを象徴的に言うなら「革命家」か「変革者」だろう。火炎放射器で信号機を燃やし、解放的なレゲトンダンスを踊り、既存のルールにどんどん「NO」を突きつけていく。

G・G・ベルナル扮する振付師の夫は、エマより一回り年上で比較的権威の側に身を寄せている。母親失格の烙印を世間から押され、社会の中で色んなものを失ったエマが、荒技で人生を回復させていこうとする話だが、決して「元通り」じゃなくて「世界の仕組みを変える」ことを志す。もしいまアルモドバルが新鋭監督だったら、こういう映画を作ったかもしれない。

森 直人

森 直人

略歴:映画評論家、ライター。1971年和歌山生まれ。著書に『シネマ・ガレージ~廃墟のなかの子供たち~』(フィルムアート社)、編著に『21世紀/シネマX』『シネ・アーティスト伝説』『日本発 映画ゼロ世代』(フィルムアート社)『ゼロ年代+の映画』(河出書房新社)ほか。「週刊文春」「朝日新聞」「キネマ旬報」「メンズノンノ」「Numero TOKYO 」「映画秘宝」などでも定期的に執筆中。※illustrated by トチハラユミ画伯。

近況:YouTubeチャンネル『活弁シネマ倶楽部』でMC担当中。10月16日より、黒沢清監督(『スパイの妻』)の回を月永理絵さんとのダブルMCで配信中。ほか、原一男監督&島野千尋プロデューサー(『れいわ一揆』)、行定勲監督 feat.東紗友美さん(『窮鼠はチーズの夢を見る』)、足立紳監督(『喜劇 愛妻物語』)、荒木伸二監督 feat.SYOさん(『人数の町』)、城定秀夫監督&平井珠生さん(『アルプススタンドのはしの方』)、田中圭監督(『島にて』)、内藤瑛亮監督(『許された子どもたち』)、諏訪敦彦監督(『風の電話』)、想田和弘監督(『精神0』)、深田晃司監督(『本気のしるし』)、豊島圭介監督(『三島由起夫vs東大全共闘』)、入江悠監督(『AI崩壊』)、タナダユキ監督(『ロマンスドール』)、岩井澤健治監督&大橋裕之さん(『音楽』)、片山慎三監督(『岬の兄妹』)と『パラサイト 半地下の家族』を語り尽くす特番、森達也監督&河村光庸プロデューサー(『i 新聞記者ドキュメント』)、小林啓一監督(『殺さない彼と死なない彼女』)、竹内洋介監督(『種をまく人』)、渡辺紘文監督&雄司さん(『普通は走り出す』など大田原愚豚舎の世界)、瀬々敬久監督(『楽園』)、今泉力哉監督(『アイネクライネナハトムジーク』)、二ノ宮隆太郎監督(『お嬢ちゃん』)、大森立嗣監督(『タロウのバカ』)等々を配信中。アーカイブ動画は全ていつでも観れます。

サイト: https://morinao.blog.so-net.ne.jp/

森 直人さんの最近の映画短評

もっと見る

[PR]