フレンチポップス黄金期を鮮やかに再現した感動の伝記映画

2013年7月17日 なかざわひでゆき 最後のマイ・ウェイ ★★★★★ ★★★★★

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最後のマイ・ウェイ

“クロクロ”のニックネームで親しまれ、死後35年を経た今もなお熱烈に愛され続けるフランスの国民的歌手クロード・フランソワの伝記映画である。まさか日本公開されるとは思ってもみなかっだけに、長年のクロクロ・ファンとしては感無量。なにしろ、日本ではその全盛期でさえ無視され続けたのだから。ツイストからR&B、ディスコに至るまで、その時代その時代のトレンドを敏感に吸収しながら、いつまでも色あせないエバーグリーンなポップ・ナンバーを生み続けたクロクロ。しかし、リベラーチェ一歩手前の煌びやか過ぎるステージや、英米ポップスのカバーを含む臆面もないくらいに大衆的な音楽性が、日本では根暗なシャンソン・ファンにもスノッブなフレンチ・ポップス・ファンにもそっぽを向かれてしまった。本作は女好きで浮気性で嫉妬深くて負けず嫌いで傲慢な彼の素顔を赤裸々に描きつつ、だからこそ逆境をバネにしてスーパースターへと上り詰めることができたのだというその核心を見事に捉えており、そもそも伝記モノとしての完成度が極めて高い。そればかりでなく、’60~’70年代のフレンチポップス黄金期を鮮やかに再現し、クロクロの名曲の数々も思う存分楽しませてくれる。なによりも、クロクロ役ジェレミー・レニエのソックリなこと!まるで本人の魂が乗り移ったかのごときパフォーマンスにも酔いしれる。これほどまでに鳥肌が立ち、なおかつ感動の涙の止まらなかった映画は久しぶりだ。本作を機に、日本でもクロクロ・ファンが増えることを願ってやまない。

なかざわひでゆき

なかざわひでゆき

略歴:日本大学芸術学部映画学科卒、同学部大学院卒。映画・海外ドラマのライターとして、TVガイド誌やオンライン情報サイトなどを中心に幅広く執筆活動中。雑誌「スカパー!TVガイドBS+CS」(東京ニュース通信社刊)で15年続くコラム“映画女優LOVE”をはじめ各テレビガイド誌で特集記事やコラムを執筆。著書は「ホラー映画クロニクル」(扶桑社刊)、「アメリカンTVドラマ50年」(共同通信社刊)など。また、数多くの来日スターにインタビューしており、ハリウッドのスタジオや撮影現場へも毎年コンスタントに足を運んで取材をしている。特に海外ドラマの現地取材は本人も数え切れないほど(笑)。旧ソ連のモスクワ育ち。

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