シネマトゥデイ

シネマトゥデイ

中山 治美

中山 治美

略歴: 茨城県出身。スポーツ紙記者を経てフリーの映画ジャーナリストに。週刊女性、GISELe、日本映画navi、朝日新聞webサイトおしごと博物館内で「おしごとシアター」などで執筆中。テレビ好きが高じて朝日新聞でTVコラム「よこしまTV」を月1回連載しております。

近況: 本サイトで「映画で何ができるのか?」と「ぐるっと!世界の映画祭」を連載中。また、編集に携わった塚本晋也監督・著「『野火』全記録」(洋泉社)も発売中デス

サイト: https://www.oshihaku.jp/series/00007

中山 治美 さんの映画短評

全307件中1~5件を表示しています。 Next »
  • リバースダイアリー
    スタイリッシュに残酷、ドロドロの恋愛サスペンス
    ★★★★

    撮影は海外のTVシリーズに携わっているトム・シュナイト。
    『愚行録』同様、海外のカメラマンが手がけると日本特有の湿度が減少し、見慣れた風景も実にスタイリッシュに映るから新鮮だ。
    だがその中で繰り広げられるのは男女5人の愛憎劇。
    復讐にストーカー、殺人未遂など火サス並の驚愕事件が勃発するのだが、抑えた演出と乾いた映像で良質のサスペンスに昇華されている。
    個人的には負の感情がもう少し見たかったが。
    しかし、自主映画はかつて自身の半径1mの世界を描いていると揶揄されてきたが、
    『カメラを止めるな!』を始めエンタメ志向の粋の良い作品が出てきたのは喜ばしい限り。
    日本映画の新たな息吹を感じるだろう。

  • 友罪
    『ヘヴンズストーリー』延長戦
    ★★★★

    犯罪被害者と加害者、その家族たちの終わらない苦悩を『ヘヴンズストーリー』で壮大なサーガに仕立て上げた瀬々監督にとっては、挑まねばならぬ題材だったのだろう。
    今回フォーカスしたのは広く加害者。
    『ヘヴンズ~』では妻子を殺害された夫が「家族を殺された人間は幸せになっちゃいけないのかな?」と呟くが、本作では加害者とその家族は幸せになってはいけないのか?と問う。正解のない答えを観る者にも探らせる。
    ただ『ヘヴンズ~』が4時間38分かけて描こうとした同等の群像劇を、その半分以下の時間で表現するにはもう少し登場人物とエピソードの整理が必要だったのではないか。欲を言えば主演2人の内心をもっと見たかった。

  • レディ・バード
    現役女子高生こそ見て欲しい
    ★★★★★

    青春をとうに過ぎた世代には郷愁でしかないだろうが、ヒロインと同じ、女子高生にとっては明日への活力となるのではないか。
    同級生にイケてると思われたいがゆえの見栄も、
    どこかへ飛び出したいのに自力じゃ何もできない苛立ちも、
    ウザいとしか思えない親への感情も、
    まさか2000年代初めの米国の子と共鳴するとは。
    今、抱いている問題は自分だけではないと安堵すら感じるだろう。
    それは間違いなく、自分が経験した”あの日”の感情を鮮やかに物語に昇華させた監督の才気と、
    感情が激しく揺れ動くヒロインを、憎めない愛らしさで演じたS・ローナンの魅力あってこそ。
    あぁ、この映画に女子高生時代に出逢いたかった。

  • 妻よ薔薇のように 家族はつらいよIII
    家父長制に縛られた人たちを軽やかに斬る
    ★★★★★

    世相を巧みに盛り込み家族の悲喜こもごもを描くシリーズ。
    今回は平田家の家事を担っていた長男の嫁の家出だ。
    だが”逃げ恥”のような、専業主婦の労働対価を主張するのとは違う。
    夫が嫁に放つ「俺が働いている時にお前は~」というさもありなんなセリフ。
    嫁よりも、逃げられた息子が「かわいそう」と嘆く姑。
    露わにするのは古き家父長制が残る家庭だ。
    それは熟年世代の観客に「胸に手を当ててごらん」と諭しているかのよう。
    そしてその層とは、セクハラなどで世間を賑わせている時の人と重なる。
    染み付いた彼らの意識を変えるには相当時間が必要で、男女平等な社会も、平田家の安泰もまた遠し……と考えさせられるのであった。

  • ピーターラビット
    『ANNIE/アニー』に続いてまたも....やっちまったな!
    ★★★★★

    『ANNIE/アニー』に続いて本作もとなると、ウィル・グラック監督に”壊し屋”の称号を与えたくなる。
    英国ロイヤル・バレエ団が演目にもしている原作のメルヘンな世界を良くも悪くも裏切るのはファンを敵に回しかねないワケで、むしろその強心臓に敬服。
    原作本来持つ残酷さをフィーチャーし、『パディントン』の勢いにあやかろうとした結果なのだろう。
    ただ自然での人間VS.動物のドタバタ劇は、「ひつじのショーン」シリーズのお株で既視感しかない。
    せっかくの品をお持ちなのだから、何もこの領域に足を突っ込まなくても?とか、別のオリジナルのキャラでも成立したのでは?と思ってしまう。まさかラジー賞狙い??

全307件中1~5件を表示しています。 Next »
[PR]
おすすめ特集
映画アクセスランキング
  • Loading...
»もっとランキングを見る«
楽天市場
スポンサード リンク