シネマトゥデイ

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中山 治美

中山 治美

略歴: 茨城県出身。スポーツ紙記者を経てフリーの映画ジャーナリストに。週刊女性、GISELe、日本映画navi、Kiite! 、歴史人などで執筆中。テレビ好きが高じて朝日新聞でTVコラム「よこしまTV」を月1回連載しております。

近況: 本サイトで「映画で何ができるのか?」と「ぐるっと!世界の映画祭」を連載中。また、編集に携わった塚本晋也監督・著「『野火』全記録」(洋泉社)も発売中デス

サイト: http://www.daily.co.jp/gossip/nakayamacolumn/

中山 治美 さんの映画短評

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  • ありがとう、トニ・エルドマン
    ”一人で着られない服”を強引に着るヒロインです
    ★★★★★

    石田ゆり子がバラエティ番組で「一人で着られない服は買わない」と発言し、なるほど!と思っていたら、
    ここに背中チャックのドレスを強引に着るヒロインがいた。器用にフォークを使って。
    彼女も独身。国際的コンサルタント会社勤務のキャリアウーマンだ。
    そんな彼女の生活に親父が強引に割り込んできては、寒い笑いを振りまく。
    働き過ぎを心配しての行為だと十分分かるのだが、最後に言葉でダメ出し。とことんダサい。
    この親父のなら致し方ないが、作品を考えるなら蛇足では。
    ただ本作、イネスの仕事からEUの経済地図が見えるのが興味深い。
    ルーマニアの石油に群がる大国の金の亡者たち。社会風刺はパンチが効いている。

  • 映画 山田孝之3D
    ガッテン!3D
    ★★★★

    なぜ3Dかをずっと考えていた。
    盟友・山下敦弘監督が、山田孝之にインタビューする構成だ。
    質問は一見くだらないバストの話から、役作り、そして生い立ちまで。
    長時間に渡って、時にしつこいまでの質問は山田の心根に深く入り込み、過去の苦い経験まで引き出して行く。
    徐々に”ちょっと変わった俳優”だけではない、山田の多面性が見えてきた時にはたと気づいた。
    視覚ではなく、観客のイメージの中で山田という人間がくっきり形成される脳内3Dなのだと。
    「東京都北区赤羽」や「カンヌ映画祭」に続き、またもいっぱい食わされた気分。
    だが彼らの策略にまんまと乗せられるのがまた楽しいのだ。

  • ジーサンズ はじめての強盗
    賛否あるが、このタイトル好きです
    ★★★★★

    ”出オチ”ならぬタイトルオチ。
    まんまの事件が起こり、おそらく大方の人の予想通りの展開を迎える。
    でも、主演がオーバー80とはいえ名優3人衆。
    社会への怒りを軽やか、かつジェントルマンな手法で晴らす痛快コメディに仕上がっている。
    怒りの発端は理不尽な企業年金の打ち切りで、テーマは高齢者を敬う社会たれ。
    つまり、どこの国でも抱えている普遍的な問題だ。
    そんな世相を物語に盛り込み、娯楽に昇華させるのが上手いと脚本家名を見たら、
    今年の米アカデミー賞にノミネートされた『ドリーム』の製作・監督・脚本を手がけたセオドア・メルフィじゃないか!
    この名前、覚えておきたい。

  • マダム・ベー ある脱北ブローカーの告白
    脱北=幸せの固定観念を覆す
    ★★★★★

    脱北者というと奇異の目で見がちだが、一人の女性の生き方を考えさせられる作品だ。
    北朝鮮から中国の農家に売られてしまったマダム・ベー。
    彼女は北朝鮮に残してきた家族との両方を養う為に、危ない仕事にも手を染めてきた。
    だが次第に中国の夫の方に情を抱くようになる。
    彼女はまた戻ってくると約束し、先に脱北した家族のいる韓国へ向かう。
    しかしカメラは残酷にも、一度離れてしまった家族の絆を取り戻すのは難しい事を克明に映し出す。
    皮肉な展開続きに、彼女の人生に幸あれと願わずにはいられないだろう。
    その全てをカメラの前に晒したマダム・ベーの覚悟と、脱北の旅まで同行した監督の長期密着取材の執念に敬服する。

  • 光をくれた人
    愛だけじゃなく、もっと深いモノ
    ★★★★★

    確かに、子を授かることの出来なかった夫婦が乗り越えた愛の物語かも知れない。
    だがよりトムの心情にフォーカスすると、戦争体験者の贖罪と赦し物語であることが見えてくる。
    帰還した彼が、自分の思いとは裏腹に英雄と崇められる居心地の悪さ。
    その喧騒を逃れるように移り住んだ孤島で、彼を試すがのごとく流れ着いた瀕死の独人と赤子。
    元敵の子を養育することは、彼にとっての贖罪だったのかも知れない。
    だが結果、さらに重い十字架を背負ってしまう。
    原作小説の題は「海を照らす光」。
    残酷な運命に対して、ラストで神に導かれるように光差す方へ向かうトムの表情が清々しく、原題の意味の方を噛み締めたくなるのだ。

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