シネマトゥデイ
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森 直人

森 直人

略歴: 映画評論家、ライター。1971年和歌山生まれ。著書に『シネマ・ガレージ~廃墟のなかの子供たち~』(フィルムアート社)、編著に『21世紀/シネマX』『日本発 映画ゼロ世代』(フィルムアート社)『ゼロ年代+の映画』(河出書房新社)ほか。「朝日新聞」「キネマ旬報」「テレビブロス」「週刊文春」「週刊プレイボーイ」「メンズノンノ」「Numero TOKYO」「映画秘宝」などでも定期的に執筆中。

近況: 執筆参加した『映画の必修科目16 激動!イギリス映画100』(洋泉社)などが発売中です。

サイト: http://morinao.blog.so-net.ne.jp/

⇒映画短評の見方

森 直人 さんの映画短評

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  • レゴバットマン ザ・ムービー
    ひたすら楽しい!
    ★★★★★

    『LEGO® ムービー』のファンなので期待値を上げていったが、もっと楽しかった(笑)。黒画面のくだらない薀蓄、ワーナーやDCのロゴマークが出てる時もずっと喋りっぱなしの前口上から心がなごむ。そしてレゴのキャラクターが(ジョーカーさえも)みんなかわいい。特にバットマンの「孤独」は秀逸で、ディナーをレンジでチンしたり、萌えポイントがいっぱいなのだ。

    優れたパロディ作品の常として情報量はすごく多い。バートンやノーラン時代だけでなく、コメディ系TVシリーズ『怪鳥人間バットマン』(総体的にはこれに近い)まで「バットマン史」を遡るが、掘り方が少しも押しつけがましくない。頭カラにして完全OKの傑作!

  • 未来よ こんにちは
    監督からイザベル・ユペールへの“LOVE”が完璧!
    ★★★★★

    ラヴ監督の前作『EDEN』はクラブDJだった兄が主人公のモデルで、今回は哲学教師の両親がベース。身の回りから世界を立ち上げてくる彼女の映画を貫くのは、何があっても淡々と日々を生きていく――最も慎ましいレヴェルでの「サヴァイヴ」という感覚だ。それは眼差しから来る“肯定力”によるもの。特に回想シーンを使わず、前へ、前へと進むナタリーの生のリズムは触れているだけで元気が出る。

    それを演じる目下絶好調、I・ユペール先生。いきなり満員電車の中でエンツェンスベルガーを読んでいる姿が普通にハマるのも凄い(笑)。彼女がイケメン君と車でウディ・ガスリーを聴くシーンは、人生のちょっとイイ時間として心に焼きつく。

  • パリが愛した写真家 ロベール・ドアノー<永遠の3秒>
    幸福感を提供する「愛され型」のフォトグラファー
    ★★★★

    いまやポストカードの定番でもある「パリ市庁舎前のキス」が『LIFE』誌で初出しされた時(1950年)、なんと特集のメインカットですらなかったのは初めて知った。普通に依頼された職人仕事が、本人の意図せぬタイミングで永遠のスタンダードとして評価される――これはまさにドアノーの愛され方と重なってくるようだ。

    監督が孫娘だけに彼の親しみやすい人柄がよく出た内容だが、例えばテレビ出演した時などドアノーの「感じの良さ」は瞬間で伝わるものだ。その気さくさと、裏にある複雑さを推測するJ=C・カリエールの証言が特に面白い(珍しいカラー写真集『パームスプリングス』についてのコメントも)。日本絡みの終盤も必見。

  • 作家、本当のJ.T.リロイ
    これはあらゆる問題に敷衍できる内容だ。
    ★★★★★

    筆者もまんまと騙されていたクチだが、こりゃ仕方ない!と改めて思う。長らく世間を巻き込んだJ.T.リロイ騒動の全貌を「作家」ローラ・アルバートが赤裸々に語る。彼は彼女の内に生まれた人格か、精緻に構築されたキャラか? ともあれ送り手と受け手の欲望の合致が、甘美な漆黒のファンタジーを生んだのだ。

    ガス・ヴァン・サントやビリー・コーガンなど、ローラ自身の持つ文脈がJ.T.リロイの“完成度”を高めたのだと思う。監督のフォイヤージーク(『悪魔とダニエル・ジョンストン』)の分析的な構成が見事。現実は既に入れ子構造なのだ。“虚実の皮膜”の実践的怪作として『イグジット・スルー~』『FAKE』と並べたい。

  • わたしは、ダニエル・ブレイク
    「怒れる若者たち」の魂がいまも燃えるジジイの出力100%!
    ★★★★★

    英国のフリーシネマやキッチンシンクドラマの系譜がひとつの沸点に達した。シンプルな3コードで80歳のK・ローチが言いたい事を歯切れよく言い切り、何の飾り気もなくステージを降りていくようなかっこ良さ。引退宣言を撤回して撮っただけに原点回帰の色も強いだろうが、『夜空に星のあるように』や『ケス』ではなく、当時国民的人気となったTVシリーズ『キャシー・カム・ホーム』に近いのが興味深い。

    大衆的な判り易さを志向しているぶん教条性もくっきり目立つが、主演のベテランコメディアン、D・ジョーンズの愛敬と人間味が作品に弾力を加える。このおっさんがスプレー缶で“ある壁”に書くグラフィティは最高にパンクだ。

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