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『メアリと魔女の花』杉咲花&神木隆之介 単独インタビュー

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『メアリと魔女の花』杉咲花&神木隆之介 単独インタビュー

ジブリに対する敬意と愛を感じた

取材・文:磯部正和 写真:高野広美

元スタジオジブリの米林宏昌監督が、メアリー・スチュアートの「The Little Broomstick(原題)」をモチーフにして作り上げた映画『メアリと魔女の花』。本作で、7年に1度しか咲かない花「夜間飛行」を見つけたことにより、魔法世界に足を踏み入れてしまった少女・メアリの声を務めた杉咲花と、メアリのうそによって大事件に巻き込まれた少年ピーターの声を務めた神木隆之介。過去、米林作品に出演したことがある二人が、映画の魅力やジブリへの思いなどを語った。

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花さま、神さま?

杉咲花&神木隆之介

Q:米林宏昌監督とは再タッグとなりますが、オファーが来たときはどんな思いでしたか?

杉咲花(以下、杉咲):わたしは『思い出のマーニー』に出演させていただいたのですが、もう一度声を掛けていただけるのはとてもうれしかったです。

神木隆之介(以下、神木):僕も『借りぐらしのアリエッティ』でご一緒させていただいたのですが、本当にうれしかったです。現場に行って、麻呂さん(米林監督の愛称)をはじめ、当時のジブリのスタッフの方も大勢いて、すごく懐かしい気持ちになりました。

Q:アフレコはご一緒ではなかったとのことですが、出来上がった作品を観て、お互いの演技や声に対してどんな印象を持ちましたか?

神木:僕が言うのもおこがましいのですが、色鮮やかな声をされているなと感じました。「学校のカイダン」というドラマのときは、か細いキャラクターだったので、この映画の活発なメアリをどう演じるのだろうと思っていたのですが、とても元気で快活な声だったので、さすが“花さま”と思いました。

杉咲:やめてください(笑)。神木さんこそ“神さま”です。もともと神木さんの作品はドラマ、映画、アニメと拝見していて、今回ご一緒できるのがすごくうれしかったんです。“神さま”がピーターを演じられると聞いて、すごくイメージが湧いて、アフレコは一緒ではなかったのですが、わたしは“神さま”の声を想像しながらメアリをやらせてもらったんです。完成した映像を観たとき「ピーターが生きている」と感じました。ピーターがいてくれたからこそ、メアリが存在できたんです。

Q:“花さま”“神さま”なんですね?

杉咲:もう、まさに“神さま”です。

神木:いや、“花さま”です(笑)。

俳優、声の演技ともに高評価!

杉咲花&神木隆之介

Q:お二人とも俳優としてはもちろんですが、声の演技も非常に評価が高いですね。

神木:とてもうれしいです。もちろん、プロの声優さんのような技術も持っていませんし、アプローチの仕方も違いますが、アニメが好きなので、アフレコ現場に行けるのは、緊張はしますがとても楽しいです。キャラクターに自分の声が乗っている映像を観たり聞いたりすることは、すごくワクワクします。

杉咲:自分ではあまり評価されているという実感がありません。なによりも米林監督の作品に参加させていただけるだけでも幸せなので、そこで評価までしていただけるのだとしたら、とてもうれしいです。

Q:本作にはスタジオジブリへのオマージュ的な要素もあり、エンドロールではとても感動的なメッセージもありましたね。

杉咲:愛を感じました。ジブリに対する敬意というかリスペクトを端々から感じました。エンドロールも素敵ですよね。アフレコの合間にも、ジブリ時代の話をいろいろと聞かせてもらいましたし、それを踏まえて新しいものを作っていこうという思いも感じました。一つの作品として面白いものを作りたいという意志が伝わってきました。わたしも小さな力ですが、一緒に頑張りたいなって強く思いました。

神木:キャラクターもそうですが、物語の内容や伝えたいことなど、麻呂さんがジブリ時代から育んできたことが映画の中にはたくさん入っているのではないかなと感じました。僕もエンドロールを観て温かさをすごく感じました。最後まで必見です。

二人にとっての成長した作品とは?

杉咲花&神木隆之介

Q:メアリの成長も作品のメッセージの一つですが、お二人の俳優生活の中で「成長につながったな」と感じた作品や出会いはありますか?

神木:成長かどうかはわかりませんが、『桐島、部活やめるってよ』ではすごく刺激を受けました。あの映画は日常を描いていて、みんな色がつかない芝居を追求していたんです。同世代ということもあり、とてもありがたい環境で。あらためて「芝居って楽しいんだな」と実感できた作品でした。

杉咲:わたしも『桐島、部活やめるってよ』が大好きなので、いまの話を聞いて鳥肌が立ちました。わたしはどの現場に入っても、自分に足りないものを見つけますし、悔しい思いもします。次の目標も見つけるように心がけているので、「この作品」というのは難しいのですが、『湯を沸かすほどの熱い愛』に出演したとき、演技は一人でできるものじゃないんだなって実感しました。共演者の方に助けていただいて初めて出る感情がたくさんありました。いつか自分も、相手のために立っていられる存在になりたいという夢ができた作品です。

Q:本作は手描き美術が印象的でしたね。

杉咲:またエンドロールの話ですが、最後の「おわり」が手描きで出る部分は素敵でした。手で描くって身近に感じられますし、温かさもあります。以前、制作現場を見学させていただいて、長い時間をかけて地道な作業をされている方々の大変さも知ることができました。そうした中で完成した作品を大きなスクリーンで観ることができるのは、ものすごく感動的なことだと思います。

神木:いろいろな手法によって、表現の幅は広がっていると思います。もちろんCGにはCGの良さがありますが、この作品には、麻呂さんがジブリで培った温かさがしっかり出ていると思います。魔法のシーンとかも夢があります。


杉咲花&神木隆之介

“花さま”“神さま”と呼び合う杉咲花と神木隆之介。19歳と24歳という年齢以上に若々しく、どこかあどけなさを残している二人が、そう呼び合う姿はほほ笑ましくも思えるが、杉咲は日本アカデミー賞・最優秀助演女優賞を受賞し、神木も大ヒット作を連発している“第一線級の俳優”なのだ。逆にいえば、そういう評価を受けていながらも、常に課題を持って謙虚に取り組む姿勢が、大きな実績につながっているのだろうと感じる。そんな二人が奏でるメアリとピーターの声は必聴だ。

(C) 2017「メアリと魔女の花」製作委員会

映画『メアリと魔女の花』は7月8日より全国公開

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