シネマトゥデイ

シネマトゥデイ
ジュピターズ・ムーン
2017 (C) PROTON CINEMA - MATCH FACTORY PRODUCTIONS - KNM
英題:
JUPITOR'S MOON
製作年:
2017年
製作国:
ハンガリー/ドイツ
日本公開:
2018年1月27日
(新宿バルト9ほか)
上映時間:
配給:
クロックワークス
カラー/DCP / 5.1ch/シネマスコープ

見どころ:第70回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品されたSFドラマ。難民キャンプから難民を逃がしては金を稼ぐ医師が、重力を操れる謎の少年と出会ったことから思わぬ事態にさらされる。メガホンを取るのは『ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲(ラプソディ)』などのコルネル・ムンドルッツォ。『名もなきアフリカの地で』などのメラーブ・ニニッゼ、『ジェラリ』などのギェルギ・ツセルハルミらが出演する。テロや難民などの問題を含んだ物語が、圧倒的映像表現で描かれる。

あらすじ:医療ミスによって病院を追われ、難民キャンプで働く医師シュテルン。彼は難民を違法に逃がし金を得ては、医療ミスの遺族に渡す賠償金に当て、訴訟の取り下げを狙っていた。ある日、被弾して重傷を負った少年アリアンがキャンプに運び込まれる。彼に重力をコントロールし浮かぶ能力があるのを知ったシュテルンは、金もうけに使えるとキャンプから連れ出す。一方、アリアンを撃った国境警備隊は隠ぺいを図ろうと二人を追跡し……。

ジュピターズ・ムーン
2017 (C) PROTON CINEMA - MATCH FACTORY PRODUCTIONS - KNM

映画短評

  • 清水 節
    ヨーロッパの苦悩を解き放つ、詩的な空中浮遊に魅せられて。
    ★★★★
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     本作の演出やフィルム撮影の質感は、もっと評価されなければいけない。シリア難民の青年がハンガリー国境警備隊の銃弾に倒れるが、直後に浮遊能力を身に付ける。彼を利用し金儲けを企む医師との逃走劇がメインだが、その存在の神秘性をめぐり、苦悩するヨーロッパの混沌が詩的に活写される。浮遊の奇跡は、クレーンや特殊なカメラリグ、ワイヤーを駆使して俳優の身体やカメラそのものを吊り上げ、ワンカットで撮影。『恋愛準決勝戦』由来のセットとカメラが大回転するアナログ特撮も効果的だ。移動撮影やカーチェイスの迫真性も素晴らしい。人間が浮く感覚を抒情的に体感させ、失われたはずの難民の魂が問いかける社会派SFの傑作である。

  • なかざわひでゆき
    理解しがたい異質な相手や物事に対して、あなたならどうするか?
    ★★★★
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     シリアから大量の難民が押し寄せるハンガリーで、国境警備隊に銃で撃たれた難民の少年が、空中を浮遊する不思議な力を身に付けてしまうというお話。で、それを利用して金稼ぎしようと考えたドクターが、やがて少年を守るために逃避行を繰り広げることとなる。
     難民問題を通して現代の疲弊したヨーロッパの姿を捉えた作品だが、いわゆる社会派映画ともちょっと違う。少年の浮遊能力は宗教的な奇跡であると同時に、いわば自由の象徴でもあり、それゆえに人々は畏敬の念をもって空を見上げ、体制側はそれを危険視して捕らえようとする。にわかに理解できない異質な相手や物事を前にして、あなたならどうするか。そこが本作の核心だろう。

  • 平沢 薫
    この浮遊感覚は、体験する価値がある
    ★★★★★
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     少年が空中に浮遊するとき、その感覚を体感させてくれる。しかもこの浮遊感は、斬新だ。身体が空中を移動する映画は数多いが、本作は周囲の重力を操ることで浮力を得るという設定で、さらに本人がまだ能力の使い方を手探りしている状態なので、空を飛ぶというより、水の中を手探りで泳ぐような感覚。重力の作用する方向が変化していくので、どちらが天でどちらが地なのか、判別がつかなくなる。こうした浮遊シーンが何度もあり、この感覚を体験するだけでも見る価値がある。木星の衛星、エウロパ=ヨーロッパを意味するタイトルで、移民の少年を描く寓話的物語だが、この浮遊感覚は、意識よりも深い部分に働きかけてくる。

予告編・動画

スーパーパワーを得た難民を描く異色作…映画『ジュピターズ・ムーン』予告編

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2017 (C) PROTON CINEMA - MATCH FACTORY PRODUCTIONS - KNM

ポスター/チラシ

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スタッフ

プロダクションデザイン: マールトン・アーグ
衣装デザイン: サビーヌ・グレーニッフ
メイク: ノラ・コルタイ
空中浮遊装備: バラージュ・ファルカス
スタントコーディネーター: ガスパル・ザボ
プロダクションマネージャー: ガーボル・テニ

キャスト

シュテルン医師:
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