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ボストン市庁舎 (2020):映画短評

ボストン市庁舎 (2020)

2021年11月12日公開 274分

ボストン市庁舎
(C) 2020 Puritan Films, LLC - All Rights Reserved

ライター2人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 4.5

なかざわひでゆき

地方行政の理想がここにある

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 「アメリカで最も住みやすい都市」のひとつとされるマサチューセッツ州ボストン。本作では主観的なナレーションやテロップなどを排し、ボストン市役所で働く人々の活動を4時間半に渡って克明に記録することで、その理由の一端を垣間見ることが出来る。なるほどと唸らされるのは、市民ととことんまで対話をして耳の痛い意見にも向き合い、どんな小さな声でも拾い上げて市政に反映させようとする職員たちの姿勢だ。住民の55%が有色人種ということもあり、民族ごとに適切な対応を考えて彼らの「誇り」を尊重するというきめ細かさ。いわゆる「お役所仕事」とは大違いだ。「市民が分断された町は栄えない」という市長の言葉が印象深い。

この短評にはネタバレを含んでいます
森 直人

システムの幸福について具体的に考えてみる

森 直人 評価: ★★★★★ ★★★★★

『ニューヨーク公共図書館』と同じく「ロールモデル」提示型のワイズマン作品。理想を現実から切り取り、建設的な意見を積み重ねる。全編274分――約4時間半という上映時間はまったく適切な長さ。重要な「見せ場」を高密度に圧縮した社会見学ツアーに参加するような体験だ。

異例なのは当時の市長、マーティン・ウォルシュが「主人公」的な存在感で立ち上がること。ボストン交響楽団ホールにて開催された2019年の演説など、まるで『スミス都へ行く』のジェームズ・ステュアート。トランプ政権へのカウンターが野次や揶揄ではなく民主主義を謳う明瞭さとなり、「ワイズマンがキャプラに!?」という驚きの感動を生んだ!

この短評にはネタバレを含んでいます
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