ノートルダム 炎の大聖堂 (2021) 映画短評

あと少しなのに…という消防車の苦闘など生々しい再現度の連続
世界を騒然とさせた火事を、現場目線で克明に再現した印象。その結果、ドキュメンタリーを観ている感覚に陥る。
メインとなる視点は消防士で、狭い螺旋階段を登っていく過酷さ、そこに熱さ、息苦しさを相乗効果で加えるカメラの動き。溶け落ちる鉛の映像も生々しい。さらにテンションを上げるのが、交通渋滞をかき分けての各所からの消防車の出動で、息詰まるカーアクションの様相も呈する。
もうひとつの視点は、ノートルダムを管理するサイド。この世界遺産を守り抜く執念に、限られた人しか知らない秘密が絡まって、スリリングな空気を加速させていく。
実際のニュース映像も使われるが、映画用に撮影したパートと違和感なく繋がった。
この短評にはネタバレを含んでいます