IT'S NOT ME イッツ・ノット・ミー (2024):映画短評
IT'S NOT ME イッツ・ノット・ミー (2024)
『汚れた血』(91)のあの場面の“再演”にはやはり感嘆!
レオス・カラックスは個人的に特別な監督で、長編デビュー作『ボーイ・ミーツ・ガール』(84)から共に時代を歩み、2008年、『メルド』(『TOKYO!』の一篇)の撮影で来日した際、インタビューが叶った身としては今回の盟友ドニ・ラヴァン演ずるメルド氏の再登場にプチ興奮が隠せなかった。
ゴダール的コラージュは、まあ御愛嬌。かつて目前で述べたのだが、自分を“映画作家”と思ったことはなく、「時々、人生の中で映画を作っている人」なのだと。そう捉えよう。例にもれずエンディングでの趣向、デヴィッド・ボウイの「モダン・ラヴ」を使った『汚れた血』(91)のあの場面の“再演”には感嘆! 彼の絶望と怒りを感じつつ。
この短評にはネタバレを含んでいます