デビルズ・バス (2024):映画短評
デビルズ・バス (2024)
彼女を追い詰めたものは、変化しているのか
18世紀半ばの欧州の小さな村。ある女性が心理的に追い詰められ、現状から逃れることを望むが、宗教により自死が出来ず、心理療法も稚拙で、ある行動に出る。ホラーというより心理劇。恐ろしいのは、これが特殊な事件ではなく頻繁に起きており、それが分かる記録も残っていることだ。主人公を苦しめる事情の中には、変化したものもあるが、今も変わらないものもあり、現在起きていることについても考えさせられる。
監督は、包帯で顔が見えない母親に子供たちが抱く不安を描く『グッドナイト・マミー』のコンビ。撮影は、同作で監督と組んだマルティン・ゲシュラハト。ドイツとオーストリアで撮影された森が、どこまでも湿って暗い。
この短評にはネタバレを含んでいます