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柳楽優弥、自殺騒動の真相語る!「一時は仕事を辞めようと思ったことも…」

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柳楽優弥-2008年12月
柳楽優弥-2008年12月 - 写真:高野広美

 今年の夏、急性薬物中毒で病院に搬送され、その動向が心配されていた俳優の柳楽優弥(やぎらゆうや)にその直後に出した小説「止まない雨」のことや騒動の真相について聞いてみた。

 現場に現れた柳楽は、少年というよりは精悍(せいかん)な青年。事件のことに触れない方がいいのかと勝手に気を遣っていたところ、小説の主人公と彼自身との共通点を聞くと「自分との闘いに負けちゃったりっていうところの心情について主人公が理解できる。おれも自殺未遂みたいに騒がれちゃったりしましたからね。今までの自分を客観的に見たときに、自分の中で自分との闘いみたいなものがありましたけど」と切り出してきた。精神が不安定であったことは確かだが自殺ではないときっぱり。

 第57回カンヌ国際映画祭で最年少で最優秀男優賞を取って以降、『星になった少年 Shining Boy & Little Randy』『シュガー&スパイス 風味絶佳』『包帯クラブ』とどれも主役をこなし、順風満帆に見えた俳優生活だが本人にとってはそうではなかったのだろうか。

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 「いろいろ限られた枠みたいなものがあるけど、それをぶち壊しておれはおれらしくやっていきたいと思っていた中で、そうするには、いろいろなリスクがあったりする……なんてことを考えたりしているうちに、この『仕事辞めたい』ってそこまで考えたりしました。だけど辞めるんだったら、世間から徹底的に辞めろって言われるまでやってから辞めようかなって思って」

 ある面を見ればカンヌ国際映画祭での最優秀男優賞という栄光は、小さな少年だった彼の体に知らず知らずのうちに重荷としてのしかかっていたのかもしれない。そんなグチは言わないが彼の苦悩からそれが感じ取れる。

 「止まない雨」は主人公が薬物で身を持ち崩していくが、このタイミングでこの小説を出すことに躊躇はなかったようだ。「タイミングもタイミングなので、もちろん皆はそれを想像するだろうと思ったんですけど、おれの中ではその方がリアリティのある感じがして良かったんですよね」そしていいにくいこともズバリ言う率直さに人間としての素直さが見える。

 「止まない雨」は映画化も検討されているが、本人はズバリ主役だけでなく監督もやりたいと堂々と宣言する。普通なら自信過剰と取られるこの言葉も彼の場合はそうはとれないのが不思議だ。表現者としてのエネルギーの大きさがそうさせるのか、カリスマ性なのかとにかく今後も目が離せない役者だ。

小説「止まない雨」/原案・柳楽優弥 文・井上凜(SDP出版)は1,200円(税別)で発売中

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