菊地凛子を直撃!濡れ場に果敢な挑戦「まだ自分を守らない」

第62回カンヌ国際映画祭

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カンヌの菊地凛子 - Photo:Harumi Nakayama

 第62回カンヌ国際映画祭に主演映画『マップ・オブ・ザ・サウンズ・オブ・トーキョー』で参加している菊地凛子が現地時間23日、日本人記者向けのインタビューに応じた。

 菊地は、映画『バベル』で米アカデミー賞助演女優賞にノミネートされて以来、すっかり国際派女優として世界中を飛び回っている。今回も日本出国後、イタリア・ヴェネチアで「シャネル」のショーを観賞。そこからスペイン・バルセロナに飛び、『マップ・オブ・ザ・サウンズ・オブ・トーキョー』のイザベル・コイシェ監督の自宅に滞在しながら同作品のプロモーションで約30社の取材を受けてからカンヌ入りした。スペイン人記者から受けた質問の多くは、「コイシェ監督は日本のカルチャーをきちんと描けているか?」。そしてもう一つ、「セックスシーンが多いがどうだったか? とか、スペイン人と(セックスシーンを)やってみてどうだったか? と(笑)。大体、同じような内容です」と菊地は苦笑いする。 だが、濡れ場に関する質問が多くなるのもムリはない。共演は、スペイン出身で、『ハリー、見知らぬ友人』でフランス・セザール賞最優主演男優賞を受賞するなど、フランスでも人気のセルジ・ロペスだ。共演した印象について菊地は、「最初は、ヘアリー(毛深い)で熊みたいだし、(抱き合った時に)私の腕が廻らないくらい胸囲もあって非常に戸惑ったんですね。でも、ある時から『この人ステキ』と思えてきた。それは、わたしがリュウという役に入っていたからだとも思うんですけど、撮影現場で彼がムードメーカーとして、プロとして、皆を引っ張ってくれたんです。俳優って、自分のことしか考えないようになりがちだけど、彼は内面がきちんとできている人なんだなと思って。後半は、『セクシーだな』と思うようになったし、彼が母国やフランスで人気が高いのも分かります」と、すっかりロペスの魅力にハマったようだ。 

 さらに今年のコンペ作は、『アンチクリスト』でシャルロット・ゲンズブールが自慰シーンを、『エンター・ザ・ヴォイド』のヒロインは中絶手術シーンを、あのスペインの人気女優ペネロペ・クルスも『ブロークン・エンブレイシス』のベッドシーンで惜しげもなく美乳を披露し、女優陣の体当たり演技が際立っている。菊地も、その中の一人だ。殺し屋と、その殺害対象者ながら禁断の恋に落ちたロペス演じるワイン店経営者と、ラブホテルで何度も体を重ね合う。そんなチャレンジングな役に挑んだ理由について、菊地は「女優として華やかに映画の中に出られる年齢って限りがあるように思うんです。40歳、50歳になってセックスシーンのようなアクティブなことをするのは肉体的なリスクも伴うし、自分を守りたくなると思う。でも、今はまだ自分を守りたくないんですね。怖いとか、やりたくないと思う役こそやらないと、(役の幅が)固まっていっちゃうし、そんな自分を見たくもないし、そんな女優にもなりたくない。辛いと思う役に挑んでこそ、自分(の可能性)は開けていくのではないかと信じているんです」と、キッパリ語る。

 次回作は、村上春樹原作で、ベトナム出身で仏在住のトラン・アン・ユン監督がメガフォンをとる『ノルウェイの森』。菊地はカンヌ帰国後、すぐに撮影に入る予定だ。主人公ワタナベ(松山ケンイチ)の、自殺してしまう元恋人の直子役と、またも難役に挑むことになるが、菊地は「女優の仕事の好きなところは、(経験を重ねることで)どんどん自分が広くなって、深くなっていく感じがするんです。例えば『マップ~』で人殺しを理解するなんて社会的にはどうなの?と思うけど、人間の愚かさや美しい部分を演じてこそ分かることがある。だから、この仕事は止められないです」と、ノってる女優ならではの言葉がポンポン飛び出す。日本を代表する女優となった菊地の勢いは、誰にも止められそうにないようだ。(取材・文:中山治美)

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