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ゲイの中年男性と美少女の禁断の恋を描いた衝撃作!「青いパンツが頭から離れない……」

第22回東京国際映画祭

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衝撃をぜひ!-ピンクのシャツを着たアラン・ギロディ監督
衝撃をぜひ!-ピンクのシャツを着たアラン・ギロディ監督

 20日、六本木ヒルズで開催中の第22回東京国際映画祭のワールドシネマ部門でフランス映画『キング・オブ・エスケープ』のティーチ・インが行われ、アラン・ギロディ監督が登壇し、観客からの質問に答えた。

 映画祭のチラシのキャッチコピーに、「カンヌ唖然、鬼才によるセクシャリティを超えた世界へようこそ」と書かれた本作。映画祭スタッフ曰く、「アルマンの青いパンツが頭から離れない……」と言わしめた不思議な映画体験とは何なのか? 朝一番の上映にも関わらず、会場内にはチラシの謎めいた言葉に惹(ひ)かれたであろう多くの人たちが来場していた。

 舞台はフランスの片田舎。主人公のアルマンは43歳の中年のゲイ男性で、お腹ポッコリのメタボ体系。そんな冴えない男が、ひょんなことから、複数の若者たちに襲われていた16歳の美少女カルリを助け出すところから物語は始まる。なぜかカルリはアルマンに夢中になり、男しか愛せないはずのアルマンも次第に彼女に惹(ひ)かれていく。しかし、カルリの父親が二人の交際を許すはずもなく、二人は駆け落ち同然の逃避行を始め、やがて警察を巻き込んだ大騒動となるという物語だ。まさに美女と野獣といったこの異色カップルだが、雄大な大自然の中であけっぴろげなセックスに興じる、その開放的な性描写が、禁断の恋でありながら、どことなくユーモラスな気持ちにさせてしまう。しかも男がゲイであることが、本作が単なる恋愛物語の枠には留まらない、複雑な感情が綴られた孤高の映画として昇華させている。ティーチ・インに登場したギロディ監督はそんな本作について、「画一化された世界に抵抗してみたい気持ちがありました。性の志向では、(ゲイやストレートなど)一度、自分がその位置を保つと、一生、そこに甘んじてしまうところがあります。そこを打破したいと思いました」とその哲学を語った。

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 劇中では、セックスの最中に追っ手に見つかってしまい、ビキニのパンツをはいたままで逃げ回るアルマンの姿が幾度となく登場する。脂肪がブヨブヨで、お世辞にも決してカッコいいとは言えないアルマン役のリュドヴィック・ベルティヨのような俳優を起用した理由について監督は、「現在の映画界では、画一的で、体つきが良い人ばかりが描かれる傾向があります。世の中には太った人や老人など、あらゆる体形の人が存在するのに、そういった人たちが忘れられているような気がしていました」とそのキャスティングの秘密について話していた。

 日本での知名度がほとんどない監督であるため、残念ながら本作の日本公開は未定だが、カンヌを唖然とさせたその独自のユーモアセンスと演出手法はこれからも注目されることは間違いない。

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