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アフリカのエイズ患者の死亡率はこうして減った!奇跡のプロダクト(RED)プロジェクト

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撮影中のランス・バングス監督と医療クリニックの医者
撮影中のランス・バングス監督と医療クリニックの医者 - (C) Jonx Pillemer, The Pesuaders, LLC

 アフリカのエイズ患者の死亡率を減らしたといわれる、U2のリードボーカル、ボノが立ち上げたプロダクト(RED)プロジェクトを描いたアメリカのテレビで放映されるドキュメンタリー作品「ザ・ラザラス・エフェクト / The Lazarus Effect」(原題)について、メガホンを取ったランス・バングス監督が語ってくれた。

 プロダクト(RED)プロジェクトは、アフリカにおけるエイズおよびマラリア撲滅対策をより効果的に進めるために考案されたブランド構築プランで、プロダクト(RED)という新ブランドから商品を発表し、販売することによってThe Global Fund(世界基金)に義援金が集まる仕組みになっている。アメリカン・エクスプレス、コンバース、ギャップ、アルマーニなど数々の有名ブランドが協賛しているプロジェクトだ。そして本作は、そのプロダクト(RED)プロジェクトと、そこからエイズ治療に飛躍的な効果をもたらした抗レトロウイルス薬を援助してもらい、なんとか生活している患者たちに迫ったドキュメンタリー作品になっている。

 数年前にバニティー・フェア誌がプロダクト(RED)プロジェクトによって助けられたエイズ患者の回復を記した記事を掲載したことに端を発するという今回の企画。その後、ドキュメンタリー制作の話が持ち上がり、映画『かいじゅうたちのいるところ』のスパイク・ジョーンズ監督に白羽の矢が。そして、最終的に「ずっとスパイクと共に作品を撮り続けてきた」というバングス監督が手掛けることになったという。

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 本作には、エイズで3人の子どもを失い、生き残った夫と自分もエイズに侵されているという女性が登場する。バングス監督も「とても勇敢な女性だよ」と評する彼女は、エイズであることを隠さない姿が印象的だ。彼女がカウンセラーとしてできるだけ多くの人たちにエイズテストを受けさせて、より早い段階で対応できるような活動をしていることを明かしてくれた。

 抗レトロウイルス薬の効果は、見た目にも明らかで、「雑誌でその変化を見ていたけど、実際にアフリカに行って、目の前で患者たちが変化し続けるのを見たときの衝撃はすごかったよ! 患者の声の張りが違ってきたりするんだ」と興奮気味に話した。

 最後にバングス監督は、基金が患者に行き渡らなかったり、政府に着服されてきたこれまでのエイズ救済活動に言及。「プロダクト(RED)プロジェクトは、しっかりと多くのエイズ患者を助ける体制になっているんだ。半死状態だった子どもたちが、数か月後に元気に飛び回っていた姿が、僕には忘れられないよ!」と話してくれた。

 実際、2009年11月までにプロダクト(RED)プロジェクトから世界基金に寄付された金額は約1億4000万ドル(約126億円 1ドル=90円計算)にのぼり、400万人が支援の恩恵を受けているという。しかし、いまだ数多くの人々がエイズに苦しめられているのが現状であり、プロダクト(RED)プロジェクトのさらなる拡大も求められている。このドキュメンタリーは、5月24日夜9時に、アメリカのケーブル番組HBOで放映される予定だが、日本でも見ることができる日が来るといいのだが。(取材・文:細木信宏 Nobuhiro Hosoki)

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