日本最高齢監督・新藤兼人、「戦死した94人の魂がずっとわたしに付きまとっている」と戦争の無念さを語る!

第23回東京国際映画祭

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戦争の無念さを語る新藤兼人監督

 27日、TOHOシネマズ六本木ヒルズで開催中の第23回東京国際映画祭にて、コンペティション部門に出品されている映画『一枚のハガキ』のワールドプレミア上映が行われ、出演者の豊川悦司大竹しのぶ、そして新藤兼人監督が会見を行った。会見では皆、終始厳しい表情を浮かべており、作品に込めた平和へのメッセージを語った。

第23回東京国際映画祭コンペティション部門15作品ラインアップ

 現在98歳の現役日本最高齢の映画監督である新藤監督は、実際に徴兵され、戦争の悲惨さを体験した。会見でも、戦争の悲惨さについて「戦争は人間を抹殺するので、いかなる理由があってもやってはいけない。戦争をするのは偉い人じゃなくて二等兵。貧しい家庭をやっと保っているような家庭で、戦争に行った兵士が死ねば家庭はむちゃくちゃになります。そういうのが戦争の本質だというのを伝えたい。わたしは戦争へ行きましたから、そういう悲惨な体験を通じてこのドラマを書きました」と淡々と、しかし生々しい言葉で反戦への思いを語った。

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 本作で描かれる、招集された100人の兵士のうち生き残ったのは6人だけという設定も監督の実体験に基づいたもの。仲間の94人を失った無念さはいまだ深く心に刻み込まれているようで、新藤監督は「94人の魂がずっとわたしに付きまとって、これをテーマに生きてきました。泣いていては映画を作れないから泣かないで、はいずり回るようにして映画を作ってきました」と数分間にわたってスピーチし、締めくくりに「気が付くと98歳。体も弱って頭も弱くなってきた。これが限界かと思って映画作りを降りるつもりでいます。小さな映画人の小さな映画ですが、よろしくお願いします」と会場を見渡すと、感動とも無念ともいえないしんみりした空気が漂った。

 さらには監督の思いが乗り移ったかのように、豊川も「日本では戦争がないが、世界では至るところで内戦や戦争があって、犠牲になるのは一般市民。戦争をすることを決めた人じゃない人が犠牲になるのは全然変わっていない。そういう意味において、この映画は世界の至るところで共感してもらえると考えています」と語り、大竹も「映画を観た人の心の記憶として、(平和への)思いがずっとつながっていけば良いと思います」と世界中から集まったメディアに向けて思いを発信した。

 映画『一枚のハガキ』は、共に戦争で家族を失った男女が、命を散らした兵士の思いがこもった1枚のハガキによって巡り合う姿を通して、戦争の愚かさと家族の悲哀を描き出す作品だ。

映画『一枚のハガキ』は2011年夏、テアトル新宿ほか全国で公開
第23回東京国際映画祭は10月23日から31日まで、六本木ヒルズをメイン会場に都内の各劇場及び施設・ホールにて開催

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