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『ナルニア国物語』が全米トップ…も興収振るわず先行き不安? 12月13日版【全米ボックスオフィス考】

『ナルニア国物語』が全米トップ…も興収振るわず先行き不安? 12月13日版
映画『ナルニア国物語/第3章:アスラン王と魔法の島』より - (C) 2010 Twentieth Century Fox Film Corporation and Walden Media, LLC. All Rights Reserved.

 クリスマスまであと2週間を切った今週の全米ボックスオフィスは、映画『ナルニア国物語』シリーズの新作となる、映画『ナルニア国物語/第3章:アスラン王と魔法の島』が2,401万ドル(約20億4,085万円)の興行収入を上げトップに輝いた。(1ドル85円計算)

 第2作まで配給だったディズニーが撤退し、20世紀フォックスに助けられた『ナルニア国物語』シリーズだが、新作公開にあたってかなり力を入れており、3,555館・推定6,500スクリーンにての大型公開に加え、シリーズ初の3Dに挑戦したばかりか、第1作目の『ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女』の成功を念頭に、シリーズの人気キャラであるライオン(アスラン)と魔女に重点に置いた家族そろって皆が楽しめる映画的なPR展開を行い、ホリデー・シーズンには欠かせない視点からのアピールも行っていた。

 しかし結果は、残念ながらデビュー週末収益はシリーズ3作の中で最低を記録したばかりか、ファンタジー映画の失敗作といわれている2007年公開の映画『ライラの冒険 黄金の羅針盤』のデビュー興行成績をも下回る結果となってしまった。

 これは『ナルニア国物語』シリーズがまだディズニーの指揮下にあったとき、『ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛』のPR作戦でナルニアファンでなければ映画に興味がわかないような宣伝の仕方を打ち出して失敗したことが尾を引いているのでは……とうわさされており、いくら20世紀フォックスが頑張っても一度そっぽを向いてしまった映画ファンを『ナルニア国物語』シリーズに戻すことができなかったのではといわれている。現在の収益状況からいくと、コスト面から考えてもシリーズの先行きがかなり危ぶまれている。

 次は、初登場ながら惜しくも第2位に甘んじてしまったアンジェリーナ・ジョリー、ジョニー・デップのサスペンス・アクション映画『ツーリスト』で1,647万ドル(約13億9,995万円)の収益だった。アンジーとジョニーという豪華コラボにしてこの成績というのは少々情けない状況で、これは近年ハリウッド映画界を悩ませているマンネリネタ症候群が原因であることはほぼ間違いない。ちなみに配給ソニー・ピクチャーズの調べによると、週末に『ツーリスト』を観にきていた人たちの55パーセントは女性、そして全体の53パーセントは30歳以上の観客であったという結果が発表されている。

 第3位は、先週第1位から2ランクダウンしたディズニー映画『塔の上のラプンツェル』で1,433万ドル(約12億1,805万円)。封切り後19日目にして1億1,540万ドル(約98億900万円)という総合収益を記録しており、昨年公開されたディズニーの映画『プリンセスと魔法のキス』を抜く大ヒットとなっている。

 次は第4位で、2ランクダウンした映画『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』で848万ドル(約7億2,080万円)の成績で先週から比べて50.1パーセントの収益減となった。初登場の週末の興行収入はシリーズで一番だったものの、この作品はシリーズ中の観客動員数においては残念ながら最低を記録している。しかしスタジオにとっては最終的な収益が重要なため、公開24日間にして2億5,770万ドル(219億450万円)をたたき出したこの作品は成績優秀カテゴリーに入っており、この時点で今年の大ヒットアニメ映画『怪盗グルーの月泥棒 3D』を追い越して2010年の売り上げ第6位の作品となっている。

 今週の上位最後を飾るのは、デビュー5週目でも頑張り続ける映画『アンストッパブル』で371万ドル(約3億1,535万円)。落下率も封切り後1か月以上たっている作品にしては約37.9パーセントと少なめ。迫力あるアクション・シーンだけに頼らず、人間ドラマとサスペンスにも重きを置いたストーリー展開がロングランの秘けつと思われる。

 今週末の全米興行収入はディズニー・アニメの映画『プリンセスと魔法のキス』が公開されていた去年の同時期と比べると5パーセントの収入減という統計が発表されており、かき入れ時のホリデー・シーズンにしては元気のないボックスオフィスとなっている。

 さて、次回のチャート予想だがホリデー向けの大作と共に、アカデミー賞候補のうわさがある作品が公開され話題を集めそうだ。

 まずはSFファン待望の映画『トロン:レガシー』。1982年に公開されてヒットしたディズニー実写SF映画『トロン』の続編で、前作の主人公ジェフ・ブリッジスが出演しているのが往年のファンにはうれしいところである。

 そして2作目は親子連れが喜ぶこと請け合いの映画『ヨギ・ベアー(原題) / Yogi Bear』(日本ではクマゴローといえば知っている方もいるのでは?)。テレビアニメ「新トムとジェリー」「森のスマーフ」など日本でもおなじみのハンナ・バーベラ・プロダクションが制作した人気キャラのCG+実写版映画だ。食べることしか頭にないおとぼけグマのヨギとカワイイ相棒グマのブーブーが繰り広げる騒動を描いたファミリー向けコメディーだ。ダン・エイクロイドがヨギ、そしてジャスティン・ティンバーレイクがブーブーの声を担当しておりアッパレな声優ぶりを披露している。

 3本目は、ニコール・キッドマン主演の映画『ラビット・ホール(原題) / Rabbit Hole』だ。息子をなくした夫婦の葛藤(かっとう)を描いた作品で、すでにオスカー候補のうわさもある。かなり重い内容なので、トップ5入りはないかもしれないが1館あたりのチケット売り上げはかなりいいところまでいく可能性が高い。果たして次回のチャートで全米ボックスオフィスが元気を取り戻せるかに注目が集まる。(文・取材:アケミ・トスト/Akemi Tosto)


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