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『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』の再来か?ノルウェーの話題作『ザ・トロール・ハンター』について監督が語る!-トライベッカ映画祭

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アンドレ・オヴレダル監督
アンドレ・オヴレダル監督

 現在開かれているトライベッカ映画祭(The Tribeca Film Festival)で、あの映画『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』や『クローバーフィールド/HAKAISHA』などの撮影スタイルを彷彿させ、話題沸騰となった新作『ザ・トロール・ハンター(原題) / The Troll Hunter』について、アンドレ・オヴレダル監督が語った。

 同作は、ノルウェーの田舎町で不可解に連続殺害された熊の事件を追っていた3人の大学生たちが、一連の事件にはトロールハンターがかかわっていること知るが、本当の犯人は想像を絶する危険な生物の仕業だった。トロールは、北欧の国で伝承される妖精の一種で、鼻や耳が大きく醜いものとして描かれることが多い架空の生き物。

 ストーリー構成が、『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』のようなモキュメンタリー・スタイルを取っていることについて、アンドレ監督は「あの映画が特別なインスピレーションとなったわけではないが、好きな映画として脳裏には残っていたと思う。この映画を制作する上で特に影響を受けたのは、スピルバーグ監督の映画『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』や『ジュラシック・パーク』で、さらにいちばん影響を受けたのは、連続殺人犯の素顔をドキュメンタリー・タッチで描いたベルギーの作品『ありふれた事件』なんだ」と語るとおり、観客が実際に事件を追っている緊張感を味わえる作品になっている。

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 映画内では終盤近くになるまで、キーポイントとなる何が理由で事件が起きているかが明かされないが、「僕は最初から何でも明確な映画が嫌いで、ミステリーな部分をなるべく長く保ちながら、次々と新鮮な要素を加えていくのが面白いと思っている。だから、キャラクターを紹介しすぎたり、映画を追っていく上で(観客が)知っておくべき要素を全部教えてしまう映画は問題だと思っているんだ。それは、観客だって同じで、すべてを知る必要はないし、謎な要素をむしろ好んでいるとも思う」と述べ、このミステリー演出が観客の興味を引きつけている。

 カメラアングルや音響の使い方が面白いが、この点についてアンドレ監督は「映画内では、撮影をしていた学生がトロールに攻撃されてカメラのレンズが壊されるが、その後もカメラを学生は使い続ける設定なんだ。そこで、僕とスタッフはカメラのレンズの前にヒビの入ったフィルターを設置して、観客は壊れたカメラから映像を覗き込むように設定したんだけれど、僕らはその映像がボケないように、ヒビの入ったフィルターを少しずつ調整しながら焦点を合わせていくのが難しかったよ」と映像について語った後で、音響については「トロールの声は、動物の声を集めたものではなく、あるスタジオでスタッフの一人が、あらゆる悲鳴や鳴き声に挑戦したものを使ったんだ。トロールの口元に声を合わせるのに、動物の声だとちゃんと調整できないから、そういう決断をすることになったんだ」と明かした。

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 主役のトロールハンターを演じているオットー・イェスペルセンについては「実はオットーは、ノルウェーでは有名なコメディアンなんだ。彼は非常に面白い人物で、彼のユーモアを映画に盛り込みたかったんだ。彼はこのトロールハンター役と性格が似ていて、社会に対してドライで批判的な見解をしているんだ」と語った。

 映画は、ドキュメンタリータッチの演出のため低予算の作品を意識させるが、意外にもトロールの映像はしっかりとしたスペシャル・エフェクトで描かれている。アンドレ監督の今後の活躍に期待したい。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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