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岩井俊二監督、核の世界を描く準備…最新作「番犬は庭を守る」の主人公は原発の核廃棄物処理施設で働く守衛の男がテーマ

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新作の発表が待ち遠しいです!-岩井俊二監督
新作の発表が待ち遠しいです!-岩井俊二監督

 映画監督の岩井俊二が、原発の核廃棄物処理施設で働く守衛の男を主人公とした映画のプロジェクトを進行中であることを明かした。

 今月6日、鎌仲ひとみ監督の映画『ミツバチの羽音と地球の回転』のトークショーに出席した岩井監督は、トークショーの中で自身の親戚が原発関連の学者だったことで、小学生のときに東海村原子力発電所を訪れたエピソードを告白。「子どもながらに、僕はどうしようもない恐怖を感じました」という言葉通り、小学生のころから長年、原発に問題意識を感じていたという岩井監督は、今年に入って進めていたプロジェクトが、“核廃棄物処理施設”をテーマにしたものだったことを明かした。「実はずいぶん前になるんですが、映画『スワロウテイル』のあとに、“核”をテーマにした企画をだしたことがありました。でも、どんどん壮大なものになっていったので、ちょっと映画化するのが難しくなりそうで中止になったんです。そのプロジェクトを、実は今年そろそろ再始動しようというプロジェクトが進んでいたところでした」。

 プロジェクトが始動し始めた3月11日、岩井監督の故郷・宮城を震源とした東日本大震災が発生。悲しみと混乱の中で、地震、津波、に続いて原発事故という新たな悲劇が福島の人々を襲った。小学生のころから恐れていた原発の悪夢が、こんな形で現実となってしまうことは、岩井監督自身、予想すらしていなかった。「危険を知っていたのに、ゆっくりと行動してしまっていた自分のふがいなさを感じて、とても申し訳なく感じました」という監督は、近日中に、核廃棄物処理施設を舞台にした新作をなんらかの形で発表することを明かした。作品の題名を聞くと、「番犬は庭を守る」と岩井ファンなら一度耳にしたことのある名前が返ってきた。実はこのタイトル、台湾のエドワード・ヤン、香港のスタンリー・クワンとともに発足したY2Kプロジェクトの一環として、発表された企画名のひとつだ。3年前から新たに書き出した小説は、現在ほとんど完成しているといい、「負の遺産を背負わされた未来を舞台に、“流刑地”と呼ばれる原発の核廃棄物処理施設で働く守衛の男が主人公の物語」だという。

 現在岩井監督は、自身のホームページ“iwai shunji film festival”で、小説を“novie 読む映画館”という新しい方法で発表しており、まずはそこで小説版「番犬は庭を守る」が公開される予定。1996年に公開され、日本映画界に新たな風を吹き込んだ映画『スワロウテイル』から、世界進出を果たした最新作『ヴァンパイア』を監督するかたわらで、国民的人気アイドルグループAKB48の成長と葛藤(かっとう)を追ったドキュメンタリー『DOCUMENTARY of AKB48 to be continued 10年後、少女たちは今の自分に何を思うのだろう?』のプロデュースを手がけるなど、つねに映画ファンを魅了しつづける岩井監督が描く、“核”の世界……。ファンにとっては、待ち遠しいプロジェクトとなりそうだ。(編集部:森田真帆)

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