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山本太郎主演映画『EDEN』は新宿2丁目のクラブが舞台で来春公開予定!元シネカノンの代表李鳳宇氏、日本初の移動型映画館の取材中に明かす

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移動型映画館MoMOの設備-肘掛とカップホルダーのついた座席はとてもすわり心地がよい
移動型映画館MoMOの設備-肘掛とカップホルダーのついた座席はとてもすわり心地がよい

 日本三景の一つである宮城県松島町で開催中の「東北映画祭2011 in 松島」を手がける元シネカノン代表取締役の李鳳宇氏が現地でインタビューに応じ、映画制作復帰作として山本太郎主演の『EDEN』を準備していることや、日本初となる「移動型映画館MoMO」プロジェクトを手がけるなど精力的に活動していることを明かした。

 『フラガール』『パッチギ!』など数々の話題作を手がけてきた元シネカノンの代表取締役・李氏は今年の4月に映画製作会社SUMOMOを設立。その第一弾映画作品が『EDEN』となる。山本太郎が主演を務めるほか、中村ゆり、高橋和也、高岡早紀といった俳優陣が共演。新宿2丁目のクラブ「EDEN」を舞台に、7人のゲイによるおかしくも切ない人情劇となる。李氏は「皆さんおどろくような映画になっていますよ。太郎がすごくいいんですよ。(本作での)彼の演技は泣かせますよ」と早くも手ごたえを感じている様子。現在は編集作業中で、来春公開を目指しているという。どのような作品になるのか、今から期待が高まる。

 シネカノンでは、映画制作と並行して劇場運営も行ってきた李氏だが、そんな彼が10年来あたため続けてきたのが13トントラックを使用した「移動映画館MoMO」である。10年ほど前にフランスで「移動映画館」の存在を知ったという李氏は、一か所に場所を構えて上映するのではなく、映画を観たいと依頼された街や場所に出向いて、映画祭や映画上映会などを行う「移動映画館」が日本で出来ないかと研究を重ねてきた。しかし、道路交通法の規制や、トラックの設計上の都合により、どう設計を工夫しても55席の「移動上映館」が精いっぱいだったという。「そこで発想を転換しようと思い、劇場をトラックの外に出そうと思ったんです。ちょうどそのとき、帝人社がエアドームに使える超軽量素材を開発したことを知り、これなら何とかなるなと思った」と述懐する通り、高低差を考えた階段式座席や、遮光用の暗幕素材など、さらにおよそ1年ほどの試行錯誤を重ね、今回の完成にこぎつけただけあって、劇場の設備も本格派だ。トラック自体が映写機となるMoMOでは、映画館で使用されているようなベルギーBARCO社製のDLPを装備。さらに韓国HOSOO産業社で特注設計した収納型ユニットを採用し、120席を確保している。肘掛とカップホルダーのついた座席はとてもすわり心地がよく、普通の映画館で鑑賞するのと遜色ない心地よい空間を実現している。

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 このようにして、長年の夢がようやく結実した李氏だが、くしくも現在はミニシアター冬の時代を迎えている。「今までは、われわれの商売は大都市でしか成立しないという常識の中で生きてきたんですけど、もしかしたらその常識が自分たちを駄目にしたのかもしれない。都会の人だけが文化を享受して、地方の人は享受できないなんてどこかおかしいですよ。これなら1,000人の村であっても転々と上映し続ければ10万人に観せることができる。徹底したゲリラ戦でいけばいいと思うんです。そのためには武器が必要となりますが、それがこのMoMOなんです」と語る李氏のコメントにも熱が入るが、かつてのミニシアター界の風雲児による、従来の「客を待つ」スタイルから、「客のもとに出向く」スタイルへの発想の転換はなかなか興味深いものがある。

 その第一弾として行われている上映会が、今回の宮城県松島町での映画祭だ。『クロッシング』のキム・テギュン監督が東ティモールを舞台に撮った珠玉のドラマ『裸足の夢』や、2009年度カンヌ映画祭グランプリ受賞作品『預言者』など、来年公開の作品を一足早く上映。東北の復興支援を目的に開催されている本映画祭が、人と地域と映画とをつなげるよいきっかけとなることを期待したい。(取材・文:壬生智裕)

「東北映画祭2011 in 松島」は松島十二支記念館駐車スペースにて9月19日まで開催中

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