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北乃きい、原爆をテーマにした映画『爆心』で新境地!「わたしは明るいままでいいのかな」と自問自答したことを明かす!

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新境地に挑戦する心持ちを明かした北乃きい
新境地に挑戦する心持ちを明かした北乃きい

 芥川賞作家であり長崎原爆資料館館長の青来有一氏の同名小説を映画化した『爆心』で、北乃きいが主演を務めることが明らかになった。都内で行われた撮影現場会見に出席した北乃は、「死に対峙(たいじ)する役は初めて」と明かし、「いろんな人の気持ちを背負って演じている気がする」とコメント。この日の会見には日向寺太郎監督、稲森いずみ石橋蓮司宮下順子池脇千鶴も出席した。

 原作は、爆心地周辺に住む人たちが、日常生活の中で原爆や信仰とどう向き合っているのかを紡いだ連作短編集。現在の長崎を舞台に、3世代の人間たちの生活、記憶、語り継がれてきた物語が描かれる本作で北乃が演じるのは、被爆3世となる主人公の長崎大の女子学生・門田清水だ。

 役づくりについては監督の指示通り、とにかく「被爆3世という現実を気にしない明るい活発な女子大生を演じた」と北乃は明かした。途中、被爆の影響で妊娠に恐れを抱く女性を演じている稲森など、周りの俳優を見て、「わたしは明るいままでいいのかな」と自問自答したというが、撮影も残り少なくなった今、「これで良かったんだ」と確信したそう。「明るく前向きな清水を見て、希望を感じてもらえたら……」とメッセージを送った。

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 長崎でクランクインした際には、原爆資料館も訪れたという北乃。ねじ曲がったメガネや変形したビンなどを見たときのことについては「信じられない思いと大きな衝撃を受けた」と明かす。「今だからこそ、この作品を観てほしいと心から思った」と言葉に力を込めた北乃の姿は、本作が女優としての大きなステップアップのきっかけになることを予感させた。

 メガホンを取るのは『火垂るの墓』で高い評価を集めた日向寺太郎監督。東日本大震災からの復興も強く意識した作品となっているといい、「作品のテーマは『受難と再生』。昨年の311後を生きるわたしたちの物語になっている」と力強く意気込みを語った。脚本はドラマ「白線流し」などを手掛けてきた原田裕文。ほかの共演者に、北乃に思いを寄せる廣瀬勇一役の柳楽優弥などがいる。(取材・文:福住佐知子)

映画『爆心』は2013年夏公開予定

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