「アンパンマン」原作者のやなせたかしがキャラクターの着ぐるみたちと舞台あいさつ

　「アンパンマン」の原作者で、日本漫画家協会の理事長を辞任することを発表したばかりのやなせたかしが、24日に映画『それいけ!アンパンマン よみがえれ バナナ島』の完成披露試写会に登壇して自身の近況や、今回の作品に込めた思いを語った。

映画『それいけ!アンパンマン よみがえれ バナナ島』の完成披露試写会画像ギャラリー

　つい先日、高齢と体調不良を理由に、日本漫画家協会の理事長を辞任する意向を示したことが大きく報じられた現在93歳のやなせ。しかしこの日もやなせは登壇するなり、恒例となっている歌を元気に披露。歌いながらアンパンマン、ばいきんまん、ドキンちゃん、クリームパンダ、ホラーマンを呼び込んだ。

　ところが、歌い終えたやなせは、司会者から「先生、歌声が若い！」と言われると「もう、ダメなんだよオレは！　オレは病気だらけ。でもどうしてもね、今日は出なくちゃいけないので、救急車に準備しておいてもらっている」といつも元気いっぱいのやなせにしては珍しいコメント。それでも司会者が「みなさん、先生は今、93歳です！」と告げると会場では大きな拍手が沸き起こった。

　そして最後に、やなせは本作について「今年は（東日本大震災からの）復興の年。だから、今回の映画（のテーマ）は復興になっています。人生はつらいし、いろんなことがある。しかし、いつも元気に、いじけないでやっていれば何とか開ける。ぜひ、アンパンマン映画を観て、元気になって下さい」とメッセージを送って締めくくった。

　映画『それいけ!アンパンマン よみがえれ バナナ島』はアニメ「それいけ！アンパンマン」の劇場版第24作。アンパンマンが、寒さのためにバナナが全部枯れてしまったバナナ島を救うために立ち上がる姿を描く。昨年11月4日に第1子となる女児を出産した女優の木村佳乃がバナナ島の女王・バンナを、お笑いコンビ・バナナマン（設楽統、日村勇紀）の二人が、バンナに仕える同じコンビ名のキャラクター「バナナマン」の声優を務める。（古河優）

映画『それいけ！アンパンマン よみがえれ バナナ島』は7月7日より全国公開