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ダスティン・ホフマン等を発掘した名キャスティング・デイレクターとは?

ダスティン・ホフマン等を発掘した名キャスティング・デイレクターとは?
トム・ドナヒュー監督

 第50回ニューヨーク映画祭(50th N.Y.F.F)に出品されているドキュメンタリー作品『キャスティング・バイ(原題) / Casting By』について、トム・ドナヒュー監督が語った。

 同作は、世間的にはまだまだ評価が低いが、映画界では欠かすことのできない重要な仕事の一つ、キャスティング・ディレクターに焦点を当てたドキュメンタリー作品。その中でも、俳優ロバート・デュヴァル、グレン・クローズ、ダスティン・ホフマン、ダニー・グローヴァーなどを発掘したマリオン・ドハティーが、それまでの常識を覆した発想でキャステイングをしたことで、名作が生まれることになった経緯を、彼女とともに仕事をした俳優や監督たちとのインタビューを通して彼女の人生を振り返っていく。

 トム・ドナヒュー監督は、なぜあまり注目されていないキャスティング・ディレクターに興味を持ったのか。「僕のキャスティング・ディレクターの友人ジョアナ・コルバートが、今作のプロデューサーであるケイト・レイシーと映画『ステップ・アップ2:ザ・ストリート』でともに仕事をしていたときに、彼女たちはお互いに共通点があることに気づいたんだ。それは、二人ともキャスティング・ディレクターのマリオン・ドハティーから影響を受けていることだった」と語り、さらにその影響とは「ジョアナ・コルバートは、かつてマリオン・ドハティーのアシスタントだったジュリエット・テイラー(ウディ・アレンの作品を担当している)のインターンをしていて、当然マリオンを知っていたんだ。一方ケイト・レイシーは、マリオン・ドハティーの最後のアシスタントだったんだよ」と、共通点からこの作品が制作されたことを明かした。

 実際にマリオン・ドハティーに会ってみて「最初にこの映画の企画を彼女に持ちかけたときから、彼女は乗り気だったんだ。彼女には、アカデミー賞にはキャスティング・ディレクターのカテゴリーがなく、そのことについても言及した映画でもよいかと事前に聞いたら、それでもよいと答えてくれたんだ。彼女の周りには、まるで木の枝が広がっていくように多くの女性の仲間(キャスティング・ディレクター)がいて、彼女たちが僕らを支援してくれたことで制作ができたんだ」と語り、さらにマリオン・ドハティーを題材にしたことで、キャスティング・ディレクターだけでなく、多くの一流の監督や俳優とのインタビューも可能になったそうだ。

 編集過程について「実際にインタビューした人は約240人くらいで、ほとんど映画界でも有名な人物だったが、中には編集でカットしなければいけない人もかなりいたね。最初に編集したときは、2時間半もの長さになったため、他のドキュメンタリー作品で、上映時間が2時間半のものを探してきてくれと頼んで、その長さでもよい作品ができることを証明しようとしたこともあったよ。でも結局、編集者ジル・シュワイツァーのおかげで、なんとか89分にまとめることができたんだ」と話したトムは、この映画をおよそ一年半掛けて編集したことも教えてくれた。

 映画は、長い間キャスティング・デイレクターとして活躍していたマリオンが、まだまだ男性が仕切っていた60年代~80年代の映画界で、女性のキャスティング・ディレクターとしての地位を確立し、彼女の功績からキャスティング・ディレクターへの認識が変わっていった過程が描かれている。その功績の一つには、映画『リーサル・ウェポン』シリーズのダニー・グロヴァーが演じていた警官の役は、脚本では白人だったそうだが、マリオンがダニー・グローヴァーをプッシュしたことで、あのダイナミックなメル・ギブソンとのコンビが生まれたそうだ。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)


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