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ロンドン五輪開会式を演出 ダニー・ボイル監督作の魅力とは?

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映画『127時間』より
映画『127時間』より - (C) 2010 TWENTIETH CENTURY FOX

 今年の夏、ロンドンオリンピック開会式の式典演出を務めた『スラムドッグ$ミリオネア』のアカデミー賞監督ダニー・ボイル。エッジの効いた作品でファンの熱狂的な支持を受けている彼の映画の魅力に迫ってみよう。

映画『127時間』ギャラリー

 1994年にサスペンスドラマ『シャロウ・グレイブ』で映画監督としてデビューしたボイルは、続く青春劇『トレインスポッティング』で一躍、世界的に注目される鬼才となった。ドラッグに溺れ、犯罪に手を染める若者たちの日常を描いた本作は、ともすれば悲惨に映る物語を徹底的にポップな演出で描き切り、むしろ陽気な印象を与える作品に仕上げた。

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 登場人物のハイテンションぶりを伝えるスローモーションや静止画と、そこに重なる冷静なナレーションの融合が醸し出すユーモアは、まさしく絶品。シーンにピッタリ合った既成のヒット曲の起用も絶妙で、ブリティッシュポップを大々的にロンドン五輪の開会式に取り込んだボイルの鋭敏なセンスは、ここからも存分にくみ取れる。そして何より、現代を生きる若者たちの生の声をフィーチャーしたリアルなドラマ作りが光っていた。

 アカデミー賞にノミネートされた最新作『127時間』も同様だ。谷底で落石に腕を挟まれてしまった若き登山家の奇跡の生還を実話に基づいて描いた同作は、少し間違えれば安直な泣かせの映画になるところ。しかしボイルは一歩踏み込んで、主人公がこれまでどんな生き方をしてきて、何に後悔しているかを見つめている。奇跡の生還という事実が感動的なのではない。そんな心模様と共に今後も生き続けようとする意志がリアルに捉えられているから感動的なのだ。

 そんなダニー・ボイルの監督作品5作品が9月30日(日)、WOWOWシネマで一挙放送される。巧みな映像術と現実に根差した心情描写で魅了する、鬼才の才腕をその目で確認してほしい。(文・猿園楽)

映画『127時間』は9月30日(日)よる9:00よりWOWOWシネマで放送

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