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『チチを撮りに』の若き主演女優たちにベルリンの観客から大きな拍手!

第63回ベルリン国際映画祭

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ベルリンの観客から大きな拍手! - 左から『チチを撮りに』の松原菜野花、柳英里紗、中野量太監督
ベルリンの観客から大きな拍手! - 左から『チチを撮りに』の松原菜野花、柳英里紗、中野量太監督 - Photo:Yukari Yamaguchi

 第63回ベルリン国際映画祭のジェネレーション部門で映画『チチを撮りに』が上映され、中野量太監督、姉妹役の柳英里紗松原菜野花が質疑応答を行った。妹を演じた松原は、マグロのぬいぐるみを抱えて登場。マグロは、本作で父と娘をつなぐもの、またユーモラスな姉妹げんかのもとにもなっている。

映画『チチを撮りに』場面写真

 ティーンエイジャー対象のジェネレーション部門14プラスに出品されている本作は、女手一つで育てられた姉妹が、母の願いを聞いて、死期が近いという父の住む町を訪ねる物語。中野監督の映画製作のベースには、6歳で父親を亡くし母親の手で育てられた自身の生い立ちがあるという。

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 だが、中野監督の母親は、彼が12年前に撮った家族をテーマにした作品以来、監督作を観てくれないという。「(映画の中の家族が)自分の家族に見えたのか『恥ずかしい。あなたの映画は二度と観ない』と言われました。12年たって、今度こそ観てもらおうという気持ちで作ったのは確かで、そう思ったらベルリンにまで来てしまいました」と母に向けた努力が大きく実った形だ。

 若き主演女優の柳と松原にはベルリンの観客から大きな拍手が送られた。強さと明るさを兼ね備えた母親にふんしたのは、園子温監督作品などでベルリンでも知られた渡辺真起子。観客席では、中野監督の狙い通りに笑いと涙が見られた。ジェネレーション部門の最高賞にあたるクリスタル・ベア賞獲得に手応えありといえそうだ。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)

映画『チチを撮りに』は2月16日より新宿武蔵野館ほか全国順次公開
第63回ベルリン国際映画祭は17日まで開催

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