加藤登紀子、不遇の作家への無理解に怒り…若い世代にエール

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加藤登紀子

 歌手の加藤登紀子が5日、新宿K's cinemaで行われた『書くことの重さ 作家 佐藤泰志』初日舞台あいさつに稲塚秀孝監督と共に来場し、若者にエールを送った。

映画『書くことの重さ 作家 佐藤泰志』フォトギャラリー

 熊切和嘉監督の映画『海炭市叙景』の原作者として注目を集め、さらに来年春には『そこのみにて光輝く』が綾野剛、池脇千鶴出演で映画化される作家・佐藤泰志。生前は中上健次や村上春樹と並ぶ存在として語られながらも、文学賞からは無縁の生活を過ごし、1990年に自ら命を絶った不遇の小説家だ。本作は、そんな再評価の機運高まる佐藤泰志の人生に迫ったドキュメンタリーである。

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 これまで加藤と稲塚監督は『フクシマ2011~被曝に晒された人々の記録』をはじめ、いくつかの作品で音楽・ナレーションなどでタッグを組んできた。だが今回、加藤は再現ドラマ内で佐藤の母親を演じた。「稲塚さんはいつもいい仕事をしているんで、声がかかると一度も断ったことがなかったけど、今回は俳優ということで迷ったのよ。でも絶対に悪いことがないからと勧められたんでやりました」と振り返る。

 佐藤は1981年に「きみの鳥はうたえる」で芥川賞候補となって以降、計5回にわたって候補に選ばれながらも全て落選。本作ではその時の選考会の様子を再現ドラマで映し出している。加藤は「わたしは戦争を知っている世代なので、(芥川賞の選考委員だった)開高健さんたち戦中派のズタズタな気分もちょっとわかる」と切り出すと「(そんな戦中派に対して佐藤は)ある意味、近代社会において、人間が人間として丸ごと100パーセントで生きられない、満たされないどうしようもなさを描こうとしたんと思う。でも、彼が全身全霊で、自分の血を振り絞って書いたものに対して、『物足りない』『取るに足らないこと』『他愛もない』といった一言で切り捨てた世代に対してわたしは怒っています」と佐藤を擁護。

 それを踏まえた上で「わたしたちの世代が次の世代の人たちを受け入れようとしなかったら、ぶん殴ってやってください。若い人たちは(上の世代を)蹴飛ばすためにちゃんと足腰を鍛えてください」と若者に向かって叱咤(しった)激励を送っていた。(取材・文:壬生智裕)

映画『書くことの重さ 作家 佐藤泰志』は新宿K's cinemaにて公開中

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