無音のエンドロール…話題の演出にイーストウッドが込めた思い

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名匠から英雄への敬意の表れとなったエンドロール - (C) 2014 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED, WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

 名匠クリント・イーストウッド監督が、米軍最強と呼ばれた狙撃手クリス・カイルの自叙伝を実写化した映画『アメリカン・スナイパー』。第87回アカデミー賞で作品賞を含む6部門にノミネートされ、本国で社会現象級の大ヒットを記録している本作のエンドロールにおいて名匠が選択した、異例の演出が話題を呼んでいるという。

映画『アメリカン・スナイパー』フォトギャラリー

 その演出とは、エンドロールを無音にすること。通常の映画であればテーマ曲にと共にスタッフやキャストのクレジットが流れるはずのパートに、本作では一切音が入っていないのだ。

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 本作でブラッドリー・クーパーが演じたクリス・カイルは、イラク戦争において160人以上の敵を射殺し、米軍最強のスナイパーとうたわれた人物。しかし本人は、子供さえ手にかけなくてはならなかった戦場の記憶に悩まされ、その経験から、退役後にはNPO法人を立ち上げ、多くの兵士の心のケアに時間を費やした。そして2013年、皮肉にも同じ心の病に悩む兵士によってクリスは射殺された。テキサス州ダラスのカウボーイズ・スタジアムで執り行われた葬儀には、戦場の英雄ではなく、真の英雄である彼のために1万人が参加したという。

 無音のエンドクレジットについて、脚本家のジェイソン・ホールは、「音楽を入れないほうがいいとクリントが判断した」と証言。「クリスに対する敬意の表れでもあるし、より崇高な理想のために命を捧げた全員への敬意の表れ。クリントからの感謝のお祈りなのだと思う」といい、無音のエンドロールは、イーストウッド監督によるクリスへの感謝と追悼の意の表れであるとしている。

 また、本作の製作において、生前のクリスと長い時間を過ごしたジェイソンは、アカデミー賞ノミネートについて、「(クリス・カイルは)“信じられない”と思っただろう。きっと授賞式へは行かずに、自宅でブーツを脱いでテーブルに足を置いた状態で授賞式の放映を見るだろうね」とコメント。「だが、戦争で戦う兵士たちや同じような状況を生きた人たちのより多くの注目が集まればうれしいと思ったに違いない」とクリスの気持ちを代弁した。(編集部・入倉功一)

映画『アメリカン・スナイパー』は2月21日より丸の内ピカデリー・新宿ピカデリーほかにて全国公開

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